電力技術研究所

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背景

 電力を発電・変電・送電する場合のコスト低減策のひとつとして、使用されている機器の有効活用のために、機器の劣化状態を的確に把握し、トラブルなしに限界まで使用するための評価技術が求められています。

 当所では、代表的な電力機器・設備であるCVケーブル、水車発電機、ガス絶縁開閉装置などの絶縁劣化評価技術の精度向上を目指すとともに、配電用変圧器の使用状況に基づいて使用限界を明らかにする手法を検討しています。

これまでの研究と主な成果

(1) CVケーブルの劣化診断手法として、部分放電測定と絶縁破壊直前に電圧を遮断できる高速遮断技術を用いて、ケーブルの劣化様相、寿命予測を検討しています。

(2) 水車発電機コイルの劣化診断技術として、定期点検時などに得られるデータと運転中でも部分放電が測定できる装置を組み合わせた絶縁劣化診断法を提案しました。

(3) 配電用変圧器の使用限界について、変圧器の寿命に大きく影響を与える油浸絶縁紙の劣化特性を明らかにしました。また、熱の影響を考慮した簡便な数値解析によって、変圧器の寿命推定を行う手法を開発しました。

今後

CVケーブル、水車発電機コイルなどの絶縁劣化診断技術の高精度化と変圧器の余寿命推定手法を開発します。


経年CVケーブル内部で検出した水トリー(放電痕跡)
 絶縁破壊直前に電圧を遮断する試験などにより、CVケーブルの主要劣化要因は絶縁体中の水トリーであることを確認しました。

水車発電機に対する部分放電常時監視システム
 水車発電機の固定子コイルに対して、運転中でも発電機の絶縁劣化診断が可能な部分放電監視システム を開発しました。

CVケーブル

光ファイバ電流センサによる水トリー劣化検出システムの提案
 CVケーブル内部で水トリー劣化が進行すると第3次高調波電流(商用周波数の3倍の微小信号)が発生します。光ファイバ電流センサをケーブルに巻き付けてこれを計測することにより、オンラインで水トリー劣化を検出できる可能性があります。

水車発電機

水車発電機の運転中に測定した部分放電の連続監視データ
 水車発電機の点検時(非運転時)の劣化診断データと運転中に得られる部分放電データを基に、劣化診断が可能なデータ評価法を提案しました。図は水車発電機運転中の部分放電とコイル温度の連続測定例です。

配電用変圧器

 配電用変圧器の負荷状況調査から、変圧器の使用限界に重要な関わりがある油浸絶縁紙の温度履歴を比較的簡単に精度良く計算できる解析手法を開発しました。
 絶縁紙の熱劣化特性と合わせて、変圧器の寿命推定が概略可能です。

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