電力技術研究所

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背景

 高度成長期に多数導入されてきた電力流通設備は、今後次々に設計寿命(一般に30年)を越えてくるため、近い将来、大量のリプレースが必要となります。将来の電力流通設備には、従来にも増して環境面の配慮が求められます。現在多くの設備で絶縁油やSF6ガスが絶縁材料として使われていますが、これらには防災面や地球温暖化問題の面から厳密な管理が必要となります。これに対し、固体の絶縁材料には漏洩による環境負荷がありません。
 当所では固体絶縁材料を最大限活用した新型変電所の開発を目指しています。固体絶縁を活用すれば環境影響改善のほか、メンテナンスフリー化、インテリジェント化、ユニット化が可能と考えられるため、その基礎設計技術を開発しています。

これまでの研究と主な成果

(1)全固体変圧器の提案
 大容量の固体絶縁変圧器を実現する際の課題である放熱問題を解決する方法として、

  •  1)縦型巻線の採用により放熱特性を向上させる
  •  2)熱伝導率の良好な充填材を配合した絶縁材料を採用する
を提案し、大容量機実現の見通しを得ました。

(2)コンパクト固体絶縁接続機構の提案
 変電所内の機器をフレキシブルに配置し全体の設置スペースを最小化するためには、機器相互を接続するフレキシブルな接続機構が必要となります。この接続機構として、コンパクトな接合部(ハイパーコネクタ)と可撓性を持つケーブル部を提案しました。

今後

 全固体変電所の設計手法、評価手法を高度化し、設計技術を配電用変電所クラス、さらには超高圧クラスまで外挿する研究を進めます。


最新鋭地下変電所(左)と、次世代の全固体変電所の予想図(右)

変圧器

従来型コイルと縦型コイルの比較
 従来型コイル(左)と比較して、提案の縦型コイル(右)は内部の温度勾配がフラット (半径方向の大きな熱絶縁となる巻線間の電気絶縁層がない)で、最高到達温度を低くすることができます。

充填剤配合効果の比較
 適切な窒化アルミ(AIN)などの高熱伝導材料を充填することによりエポキシ樹脂の熱伝導率が向上し、 電気絶縁性能と併せて、全固体変圧器に要求される性能を実現できることを確認しました。

機器接続機構部

ハイパーコネクタ接合界面形状の検討
 (a)山型と(b)波形の2形状界面についてモデル接続部を試作し、インパルス破壊試験を行いました。 山型界面は電界計算からも最大電界が低く抑えられることが確認されています。

ハイパーコネクタの試設計
(1)界面を屈曲させ、長手方向のサイズを縮小
(2)屈曲界面頂部を丸め、頂部の電界集中を防止という特徴を持ちます。 275kV 級ハイパーコネクタの試設計を行った結果、絶縁厚135mm、長さ400mm、 容積0.04m3 程度で実現できる見通しを得ました。



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