登録番号2002-03156 (K00)
タイトル玄倉川事故解析で見落とされたコミュニケーション・エラー
内容概要災害などによる危険は、基本的には個人が自分の責任で回避する必要がある。しかし、一個人の有する知識や理解力ではあらゆる災害に対処することは困難であり、個人は科学者や専門家が有する情報を活用して、直面する事態に対処しなければならない。このことから、事態の危険性を分析し、とるべき行動を示す組織の役割は大変大きいといえる。自己責任の原則が前提とされるタイプの災害では、それに巻き込まれるとその人の判断ミスのみが批判されがちであるが、判断の支援は十分であったか分析することが再発防止の観点からは不可欠である。本稿では、玄倉川遭難事故を例に、意思決定の支援が的確になされていたかをFTA手法により分析し、コミュニケーションにおけるエラーがキャンパーの避難行動を阻害していたことを明らかにしている。さらに、一般に、専門家の判断が行政・警察などの管理機構を通じて情報伝達される際の問題点に言及し、未然防止のための対策を提案している。科学者や専門家が有する危険情報が、対応行動をとる主体に的確に伝わらず事故や災害に至った例は多く、本稿で提案している情報伝達の方法は、こうした問題を解決するための基礎モデルになると考えられる。
著者田中 健次(DENTSU UNIV)、伊藤 誠(DENTSU UNIV)、深澤 知広(DENTSU UNIV)
出典安全工学シンポジウム講演予稿集
発行年月日2001
巻号0031
ページ(0235-0238)
言語日本語
登録キーワードコミュニケーション、情報伝達、事故分析、フォルトツリー、意思決定

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