電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

C17007

タイトル(和文)

スマートメータデータを用いた電力需要予測 ―最大需要発生に対する自動アラート機能の開発―

タイトル(英文)

Electricity demand forecasting using smart meter data -An automatic alert system for maximum electricity demand-

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背景
事業所の契約電力の基本料金は直前12ヶ月の最大需要電力で決まることが多いため、これを抑制することはコスト削減の重要な課題であり、需要予測に基づき最大需要電力発生の可能性を精度良く報せる、事業所に広く適用可能な情報提供サービスが求められている。

目的
入手が容易なデータのみを基に、事業所向けに電力需要を予測して契約電力超過の可能性を報せる自動アラートを開発し、その精度を検証する。

主な成果
1. 契約電力超過の可能性を事前に報せる自動アラートの開発
開発した自動アラートは、既開発の電力需要予測手法にSupport Vector Regression (SVR)を組み合わせた手法の予測結果に基づいて運用され、以下の特徴を持つ。
・入力データは入手が容易なデータ(予測時点から直前4週間分の事業所毎のスマートメータデータと気象実績値)のみであり、多様な事業所に適用可能である。
・30分毎に逐次電力需要を予測し、1時間から24時間先までの予測結果が警戒水準を超えた際にメールを送信することで、契約電力超過の可能性を常に監視する。
・実務者にとって理解し易いパラメータ1)を指定することによって、学習データに対して許容する残差の大きさや、警戒水準超過の見逃しの少なさ(再現率)と誤報の少なさ(適合率)のいずれを重視するかを、ユーザーが自由に制御できる。
2. 自動アラートの精度評価
21事業所の電力需要データ1年間分を基に、予測対象期間3)の最大需要電力の90%を警戒水準に設定し、1時間から24時間先の需要を対象として自動アラートを評価した。
・需要が警戒水準を超える頻度が高い事業所ほどアラートの精度は高く、最良ケースでの再現率は、1時間先予測による点アラートで74.8%、24時間先予測による幅アラートで96.7%となった。
:需要が実際に警戒水準を超えた時間帯に、アラートも発動された。

概要 (英文)

Typical tariff menus for Small and Medium Enterprises (SMEs) in Japan include basic charge called "demand charges" which are determined by the highest demand (or contracted demand) in a year and are measured in kilowatts (kW). As buildings often have its peak demand of a year over a very short time in a year, which can push up the demand charges eventually, SMEs are incentivized to reduce the peak demand. Thus information provision services widely applicable to SMEs to send accurate alerts that demand is approaching contracted demand are needed. We developed a novel demand forecasting method for this peak demand alerts solely based on smart meter data and actual climate data. The proposed method has a parameter for intervals of predicted demand, which controls trade-off between recall and precision of the alerts. Using public BEMS data of 21 SMEs, we evaluated the accuracy: recall was 74.8% for 1 hour ahead point forecast, and 96.7% for 24 hours ahead interval forecast in the best case respectively.

報告書年度

2017

発行年月

2018/05

報告者

担当氏名所属

小松 秀徳

エネルギーイノベーション創発センター デジタルトランスフォーメーションユニット

木村 宰

エネルギーイノベーション創発センター カスタマーサービスユニット

キーワード

和文英文
省エネアドバイス Energy conservation advice
中小事業所 Small and Medium Enterprises
スマートメータデータ Smart meter data
最大需要電力 Maximum electricity demand
エラーの予期 Error expectation
Copyright (C) Central Research Institute of Electric Power Industry