財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
H16006
タイトル
送電線雷事故率の予測精度向上に関する研究(その3) −送電用避雷装置とアークホーンの同時フラッシオーバ特性−
[Title]
Study on Improvement of Calculation Method of Lightning Outage Rate of Transmission Lines (Part 3) - Concurrent Flashover Characteristics of Line Surge Arrester and Arcing horn-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
送電用避雷装置は154kV以下の送電線で導入が進められている。しかし、その適用効果の定量的な評価は容易ではない。すなわち、既存の雷事故率予測計算プログラムで採用されている鉄塔電位上昇法は電圧値のみの計算であることから、送電用避雷装置の動的特性が考慮できないため、同時フラッシオーバ(注1)の詳細な計算は難しい。また、瞬時値解析手法では送電用避雷装置の動的解析の報告はあるが、単相のフラッシオーバモデルによるものであり、多相がフラッシオーバする多相事故で起こる同時フラッシオーバの厳密な計算は難しい。
送電用避雷装置設置による事故率低減の効果を評価するためには、実験により送電用避雷装置とアークホーンの同時フラッシオーバ特性を解明し、それを基にして送電用避雷装置が適用された送電線の多相事故を解析できるモデルを確立する必要がある。
目 的
送電用避雷装置とアークホーンの同時フラッシオーバ実験により、送電用避雷装置が設置された送電線での多相事故を解析するための基礎データを収集する。
主な成果
当所の塩原実験場の12MVインパルス電圧発生装置により短波尾インパルス電圧を送電用避雷装置とアークホーンに印加して同時フラッシオーバ実験を実施した。送電用避雷装置やアークホーンと接地の間に線路のサージインピーダンス)を模擬した抵抗を挿入し、その影響を評価した(図1)。その結果、以下のことが明らかとなった。
1. 送電用避雷装置とアークホーンの同時フラッシオーバ特性
線路のサージインピーダンスを模擬した抵抗を挿入すると、送電用避雷装置(直列ギャップ長350mm)とアークホーン(アークホーン間隔560mm)の同時フラッシオーバが発生する(図2)。この時、過電圧率(注3)を高くすると同時フラッシオーバ率は高くなる(図3)。フラッシオーバ過程は、最初に送電用避雷装置の直列ギャップがフラッシオーバした後にアークホーンがフラッシオーバする。その時間差は平均1.9s (最大7.7s、最小0.3s)であった(図4)。
2. 2つの送電用避雷装置の同時フラッシオーバ特性
2つの送電用避雷装置(直列ギャップ350mm)に対して過電圧率を高くすると同時フラッシオーバ率は高くなる。また、線路のサージインピーダンスを模擬した抵抗の挿入により同時フラッシオーバ率は2つのアークホーンの場合と同じように高くなる(図5)。
以上より、線路のサージインピーダンスは送電用避雷装置の適用効果へ大きな影響を及ぼすため、多相事故の解析では重要なパラメータであることが明らかとなった。
[Abstract]
Transmission line surge arresters have been used widely in transmission lines of lower than 154 kV. However, the effects of the line surge arresters have not been estimated quantitatively up to now, because the calculation method for the lighting outage rate of the transmission line applied line surge arresters has not been completed, yet. Experiments of concurrent flashovers of an arcing horn and a line surge arrester have been conducted for the development of the calculation method of multi-phase lightning outage of transmission lines applied the line surge arresters using 12MV impulse generator. We used three types of gap (An arcing horn and a line surge arrester, two line surge arresters, two arcing horns) in the experiments. In the experiments, we studied the influence of the line surge impedance on concurrent flashover characteristics of the gaps. The short-tail impulse voltage was used as the applied voltage. From the experiments, we obtained the following results.
(1) Concurrent flashover rate increases with increasing the overvoltage ratio.
(2) Concurrent flashover rate increases with increasing the resistors for the model of the line surge impedance.
When the resistor insert the experimental circuit, the concurrent flashover of arcing horn (560mm) and line surge
arrester (350mm) occurred
(3) There are time differences between flashovers of two gaps, when the concurrent flashover occurs in the two gaps.
The value of the resistor for model of line surge impedance increases the time differences of concurrent flashover.
These experimental results show that the line impedance influences the multi-phase lightning outage rate.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2016
発行年月 [Issued Year / Month]
2017/06
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

三木 恵

電力技術研究所 雷・電磁環境領域

三木 貫

電力技術研究所 雷・電磁環境領域

齋藤 幹久

電力技術研究所 雷・電磁環境領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
Lightning
送電線 Transmission line
同時フラッシオーバ Concurrent flashover
線路インピーダンス Line surge impedance
送電用避雷装置 Line surge arrester
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