財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
N16002
タイトル
ワイヤ支持式着雪サンプラによる湿型着雪観測−着雪量推定手法と難着雪化対策品効果の検証−
[Title]
Field observation of wet snow accretion using short dummy conductor supported by wire ropes - Verification of estimation methods of snow accretion and performance of anti-snow-accretion devices -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
架空送電設備の着雪による被害の低減には,電線への着雪量を的確に推定して,合理的な設備設計や対策を施す必要がある.そのためには,着雪量推定手法の精度向上や難着雪化対策品効果の検証・把握が重要であり,着雪に関わる定量的で信頼性の高い観測データをできるだけ多く取得する必要がある.しかしながら,重大な設備被害の原因となりやすい湿型着雪は発生頻度が少ないため,これまでに取得された有用な観測データは少ない.当所では,電線のねじれを伴う筒雪を模擬電線上で再現する簡易観測装置「ワイヤ支持式着雪サンプラ」を開発し,これを用いた屋外着雪観測を継続している.
目 的
湿型着雪の発生頻度が高い北海道道東地域における計7冬季の着雪サンプラ観測データに基づき,着雪量推定手法の検証と改良,難着雪化対策品効果の分析を行う.

主な成果
1. 着雪発生気象の精査
着雪観測データを用いて,着雪が発生する気温と相対湿度を精査した結果,当所提案の雨雪判別式に基づく着雪タイプ区分チャート[3]が妥当であることが示された.

2. 着雪密度推定式の改良
着雪量を推定する上で重要となる着雪密度について,気温と相対湿度,電線直交風速を用いる新たな推定式を提案した.提案した推定式は,従来の推定式に比べて,推定精度が向上していることが確認された.

3. 電線外径が着雪量に及ぼす影響の把握
電線外径が異なる3種類の着雪サンプラ(ACSR240mm2,410mm2,810mm2)の着雪量を比較した結果,筒雪形成過程における着雪量は電線外径と着雪厚の和に概ね比例しており,電線着雪量を算出する際には,電線外径を考慮すべきであることが示唆された.

4. 難着雪化対策品の効果の把握
外径の小さいACSR240mm2の場合,標準的な径間長の径間中央のように電線のねじれやすい箇所では,難着雪リングの効果が発現しにくいこと,電線がねじれにくい径間内の支持点に近い箇所やカウンタウェイト設置径間では,着雪低減効果が現れやすいことが示された.一方,外径の大きいACSR810mm2の場合,カウンタウェイト等のねじれを抑制する対策が併用されていなくても,難着雪リング単独で径間全体にわたって難着雪効果が発現しうるが,急速に着雪が成長する場合には,効果が発現しにくくなることが示唆された.これらの効果の違いは,付着した雪の偏心荷重による電線のねじれと電線の撚りに沿った着雪体の滑りの2つの挙動が関わることが示唆された.
[Abstract]
This paper describes the field observation results of wet snow accretion on short dummy conductors supported by wire ropes in the eastern Hokkaido area. Based on the observation data for seven winter seasons, we discuss the meteorological condition of wet snow accretion, the density of snow sleeves on conductors, the effect of the conductor diameter on the amount of snow accretion, and the performance of anti-snow-accretion devices.

It is found that the observed results of the air temperature and relative humidity during wet snow accretion agree well with those predicted by the method based on the concept of precipitation type classification. The new method we proposed for the estimation of the density of accreted snow on conductors using a function of the air temperature, humidity, and wind speed normal to the conductors is found to improve the estimation accuracy. The observed different snow accretion amount on the conductors of three different diameters supports the validity of current estimation methods of the snow accretion amount that take into account the thickness and density of the accreted snow. A snow resistance ring, which is the most commonly used anti-snow-accretion device in Japan, is found to be more effective in the case of higher torsional rigidity of the conductor but less effective in the case of rapid increase in snow accretion.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2016
発行年月 [Issued Year / Month]
2017/02
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

西原 崇

地球工学研究所 流体科学領域

上之 和人

地球工学研究所 流体科学領域

市川 英治

地球工学研究所 流体科学領域

松宮 央登

地球工学研究所 流体科学領域

杉本 聡一郎

地球工学研究所 流体科学領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
短尺模擬電線 Short dummy conductor
湿型着雪 Wet snow accretion
屋外観測 Field observation
着雪密度 Accreted snow density
難着雪化対策品 Anti snow accretion device
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