財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
N16003
タイトル
釧路試験線における送電設備の雪害現地観測 −実規模試験線の建設と2冬季の代表的な着雪事例分析−
[Title]
Field observation of snowstorm damage to overhead transmission lines at Kushiro test line - Construction of full-scale test lines and analysis of typical snow accretion during two winter seasons -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
当所では,電力各社の協力の下,送電設備の雪害事象の解明や予測手法の開発,対策品の効果検証のため,全国の降雪地域で実規模送電線を中心に各種の屋外観測を実施している.しかしながら,広域での大規模な雪害の原因となる湿型着雪とこれに伴う電線動揺は,発生が希な事象であり,観測データが不足している.
目 的
湿型着雪とこれに伴う電線動揺観測に適した地点を選定して実規模試験線を建設し,観測された代表的な着雪事例をもとに対策品の効果を分析する.
主な成果
1. 観測適地の選定と実規模試験線の建設
国内各地の気象分析等をもとに北海道釧路市を試験線建設地として選定し,同大楽毛地区に,大型鉄塔2基と小型鉄塔1基から構成される実規模試験線を2013年度に設置した.4導体におけるルーズスペーサのギャロッピング対策効果検証と,単導体における難着雪リングやカウンタウェイトの難着雪効果検証,および,通電による発熱が着雪特性や対策品の効果に与える影響の把握等のため,4導体2相(ACSR410mm2,ACSRは鋼心アルミより線の略称,数値は公称断面積)および単導体5相(ACSR240mm2)を架線し,2013年度の予備観測を経て,2014年度より本格観測を開始した.2014〜2015年度の2冬季の観測では,顕著な湿型着雪やスリートジャンプ,ギャロッピングと考えられる電線動揺が見られ,順調に観測データが取得されている.
2. 代表的な着雪事例と難着雪リングの効果に関する考察
上記の2冬季に得られた着雪事例では,事例によって,難着雪化対策品の効果や通電による発熱の影響が異なっており,その原因を明らかにするために,代表的な湿型着雪3事例について,着雪体周りの熱収支の試算に基づく考察を行った.その結果,1) 顕熱・潜熱輸送による熱収支の差が着雪の成長履歴に大きな違いをもたらすこと,2) 電線上の着雪体の融解が生じて着雪体が電線の撚りに沿って滑りやすい条件では,難着雪リングの効果が発現しやすく,着雪体が乾いた状態では効果が発現しにくいこと,3) これらの事例では,外気との熱交換に比べて,通電による発熱の影響が大きく,難着雪リングの効果を大きく促進することが示唆された.
今後の展開
観測を継続し,雪害のより詳細な現象解明と各種対策品の効果検証を進める.
[Abstract]
We constructed a new full-scale test facility, named "Kushiro Test Line," in Kushiro city in Hokkaido in 2013 for field observation of galloping in overhead lines and wet-snow accretion on conductors and insulators. The test facility consists of two phases of four-bundled conductors, five phases of single conductors, insulators for observation of snow accretion, and various meteorological instruments. Using the facility, field observation data regarding the meteorological conditions of snow accretion and galloping are acquired. The effects of a loose spacer against galloping and of a snow resistant ring and counter weight against snow accretion are also examined. During the winter seasons of years 2014 and 2015, we observed some cases of noticeable wet-snow accretion, which clearly indicate the effect of the snow resistance ring - the most commonly used anti-icing device in Japan - on the snow accretion. The observed results indicate that the melting of the snow due to the heat transfer from the air and the snow slide on the conductor surface induce the formation of a snow sleeve on the conductor without snow resistance rings. However, in the presence of snow resistance rings, the snow tends to be shed from the conductor. It was also observed that the heat generated by the electric current in the conductor accelerates the aforementioned effects.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2016
発行年月 [Issued Year / Month]
2017/03
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

西原 崇

地球工学研究所 流体科学領域

松宮 央登

地球工学研究所 流体科学領域

杉本 聡一郎

地球工学研究所 流体科学領域

橋本 篤

地球工学研究所 流体科学領域

市川 英治

地球工学研究所 流体科学領域

麻生 照雄

地球工学研究所 流体科学領域

守護 雅富

地球工学研究所 流体科学領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
架空送電設備 Overhead transmission line
実規模試験線 Full-scale test line
湿型着雪 Wet snow accretion
ギャロッピング Galloping
難着雪リング Snow resistance ring
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