財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Q14014
タイトル
分散剤添加による軽水炉一次系線源低減技術の開発−PWR一次系条件におけるポリアクリル酸の放射線分解と金属酸化物溶出試験−
[Title]
Development of dispersant technology in primary systems of light water reactors -Radiolysis of polyacrylic acid under PWR primary condition and dissolution experiments of metal oxides-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
国内原子力発電プラント(加圧水型原子炉PWRおよび沸騰水型原子炉BWR)では、被ばく低減を目的として亜鉛注入等の対策が講じられており、一定の効果が得られている。しかしながら、海外プラントと比較して国内プラントの被ばく線量は依然として高く、さらなる線量低減対策を講じる必要がある。当所では、原子力発電プラント一次系に分散剤を添加することで線源を低減する技術の開発を目指している。本研究では、PWR一次系条件におけるポリアクリル酸(PAA)水溶液の放射線分解挙動を調べるとともに、BWR炉水条件で有望な有機薬剤の選定を行った。
500 ppm PAA(Mw = 16,000)水溶液を320℃とし、γ線10 kGyおよび100 kGy照射後に生成物を分析した。γ線照射によって全有機炭素(TOC)濃度は大幅に低下した。炭素を含む化合物の中で収量が大きかったのはCO2、酢酸イオンであるが、炭素数換算で初期濃度のそれぞれ約10 %、3 %であった。γ線照射によりPAAの分子量は大幅に低下するが、反応は照射後に緩やかに進行する。300℃を仮定し、PAA水溶液の放射線分解シミュレーションを行った。吸収線量が5 kGyを超えるとPAAが枯渇する。数kGyまではPAAラジカルの主鎖切断が支配的であるが、分子量の緩やかな変化とあわせると、それ以上の吸収線量では不均化反応が支配的な段階に移行するものと考えられる。
分散剤3種類、キレート剤3種類を候補薬剤とし、180℃の高温水中でマグネタイトあるいはヘマタイトから鉄を溶出させる効果を実験により調べた。酸化物と雰囲気の組み合わせが3通りあるが、いずれの条件でもPAA(16,000)添加時に鉄溶出量は最も多かった。温度は異なるものの、PAA(16,000)による鉄溶出効果が高いことから、BWR条件でPAA(16,000)は腐食生成物除去に有望である。
今後、PAAの放射線分解挙動に基づき水質条件を適切に設定し、PWR一次系条件で材料健全性試験を実施する。また、BWR条件で有望なPAA(16,000)の放射線分解挙動を評価する。
[Abstract]
In order to develop a new technology of dispersant addition into primary coolant of nuclear power reactors and to achieve sufficient reduction of the radiation exposure, radiolysis of poly acrylic acid (PAA) solution was investigated under the PWR primary condition. PAA solution was irradiated by gamma-rays at 320 C up to 10 kGy and 100 kGy. After irradiation, TOC concentration and molecular weight significantly decreased. Carbon dioxide and acetate were detected as radiolytic products with relatively low yields. Radiation chemical simulation at 300 C demonstrated that PAA is consumed at around 5 kGy. It is considered that scission of PAA radicals is predominant up to several kGy where as disproportionation seem major reaction of PAA radicals at higher absorbed dose. Screening experiments were carried out to select promising chemical agent under the condition of BWR coolant. Immersion tests of iron oxide at 180 C in the presence of various chemical agent showed that Fe concentration was highest in the presence of PAA (weight-average molecular weight = 16,000). It was concluded that the PAA is the most promising chemical agent to remove corrosion products in BWR coolant systems.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2014
発行年月 [Issued Year / Month]
2015/04
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

堂前 雅史

材料科学研究所 構造材料領域

加古 謙司

材料科学研究所 構造材料領域

室屋裕佐

大阪大学 産業科学研究所

キーワード [Keywords]
和文 英文
分散剤 Dispersant
ポリアクリル酸 Poly acrylic acid
鉄酸化物 Iron oxide
キレート剤 Chelating agent
放射線分解 Radiolysis
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