財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Q16010
タイトル
電池寿命評価のための簡易・高精度充放電容量測定法の開発−システム構築と高精度計測手法の検討−
[Title]
Development of simple and high-precision charge /discharge capacity measurement for battery life evaluation-Construction of measurement system and investigation of high-precision analysis method-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
・背 景
リチウムイオン電池は、高エネルギー密度かつ高効率という特徴から、20年(1サイクル/日換算で7,200サイクル)程度の長期運用が要求される電力貯蔵用途への適用が始まっている。蓄電池を有効活用するためには、リチウムイオン電池の選定、長期運用方法の確立が重要であり、運用方法に依存する電池の状態を評価することが不可欠である。ある時点での電池の挙動や状態を短期間で定量的に求める手法のひとつとして、近年充放電電流の高精度測定による電池容量(電流の時間積算)測定が注目されており、長寿命電池の状態推定に対する本質的で有用な解析ツールのひとつとなりうる。しかし、電力用途で用いられている大容量大型電池の解析には、大電流の通電に起因する発熱等が高精度測定で懸念される。
・目 的
電力用途で用いられる大容量の大型単電池の状態推定を行うために、実用的な充放電速度で充放電容量を高精度に計測できる簡易なシステムを構築し、状態推定に要求される精度を達成する手法を開発する。
・主な成果
1. 長期運用時の状態推定に要求される計測精度の検討
要求される計測精度を検討するため、電池運用期間中に劣化モードが変化しないと仮定したときの1サイクルあたりの容量維持率(R)と7,200サイクル後の積算容量維持率について検討した。この結果、7,200サイクル後に期待される積算容量80%維持を精度良く見積もるには、R値に有効数字5桁(誤差10ppm以下)の確保が重要であることを確認した(図1)。
2. 計測システムの構成要素に対する誤差要因の検討
既存市販装置を用いて上記要求精度を確保できる、簡易かつ高精度な充放電電流計測システムを構築するため、計測における様々な誤差要因を検討した。大電流通電に起因する熱発生が高精度測定を阻害する可能性があるため、特にシステムの各構成要素に対する温度変動の影響を調べた。その結果、試験電池と計測用シャント抵抗器の温度安定性を確保する必要があり、これらを恒温槽内に設置するシステムを構築した(図2)。
3. 恒温槽の温度揺らぎの影響評価とその抑制
構築したシステムを用いて、市販大容量20Ah級リチウムイオン電池注)の容量を計測したところ、1サイクル毎の容量低下傾向を安定して捉えることに成功した(図3)。しかしながら各測定点にはわずかながら揺らぎが見られた。このため、電池環境温度が電池容量に及ぼす影響を検討したところ、1℃の変動により測定値が0.035Ah変動し、許容誤差の100倍以上となることを確認した(図4)。また、恒温槽内温度は周囲温度の変動によってわずかながら変動し、計測結果に影響することも確認した。目標とする有効数字5桁以上の精度を確保するためには、数日間程度の測定結果を平均化することにより温度変動による誤差を相殺する必要がある。
[Abstract]
Lithium-ion batteries are adopted as stationary applications because of their high voltage, high- energy density and high efficiency properties. The batteries for stationary use are expected for long-term operation more than 20 years and capacity retention rate of 80%. Therefore, to understand the battery degradation and to estimate for life time of the lithium-ion batteries are essentially important. High-precision charge/discharge measurement is proposed to estimate an effective life time within short test periods. We developed a high-precision charge/discharge current measurement system for large format cells and determined the capacity fade of 20Ah class battery (SCiBTM by TOSHIBA Corp.). Our measurement system composed of commercially available devices. Almost all composed parts such as digital multimeter and shunt resistor adopted in this system were tested and checked up in order to establish the measurement accuracy. The temperature effect can be cancelled out due to the average value obtained from 20 cycles measurement, the accuracy up to 0.00001 was achieved. This system is good enough for analyzing quantitatively capacity downward trend and coulombic efficiency.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2016
発行年月 [Issued Year / Month]
2017/04
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

山崎 温子

材料科学研究所 電気化学領域

宮代 一

材料科学研究所

小林 陽

材料科学研究所 電気化学領域

三田 裕一

材料科学研究所 電気化学領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
リチウムイオン電池 Lithium-ion Battery
寿命評価 Life Evaluation
非破壊評価 Non-destructive Analysis
容量維持率 Capacity retention
クーロン効率 Coulombic Efficiency
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