財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Q16011
タイトル
ミニチュアC(T)試験片によるマスターカーブ法破壊靱性評価の圧力容器鋼溶接金属への適用性
[Title]
Applicablity of Miniature C(T) Specimens for the Master Curve Evaluation of RPV Weld Metal
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
照射脆化した圧力容器鋼の破壊靭性評価は原子炉圧力容器の健全性維持のために重要である。現行の日本電気協会技術規程(JEAC4206-2016)ではシャルピー衝撃試験等により求めた関連温度から破壊靱性を定めている。一方、破壊靭性評価法の一つであるマスターカーブ法 注1)によれば、限られた数の破壊靭性試験片から参照温度To 注2)を決定し、破壊靭性の分布と温度依存性を記述できる。当所はマスターカーブ法の実機適用を目指して、破断後の監視試験片(シャルピー試験片)から採取可能な板厚4mmのミニチュアC(T)試験片(Mini-C(T)試験片)による破壊靭性評価技術を開発し、大型試験片との比較やラウンドロビン試験を通じて技術の検証を行った。これを反映し、Mini-C(T)試験片によるToの決定法がJEAC4216-2015に規定された。同規格は巨視的に均質なフェライト鋼に適用できる。圧力容器鋼の溶接金属は、ビード幅が約10mmであることから、寸法の小さなミニチュアC(T)試験片においても破壊靭性がマスターカーブ法に従うことの確証を得ておくことが望まれる。
目 的
代表的な国産圧力容器鋼SQV2Aを対象に、その溶接金属に対してMini-C(T)試験片を用いたマスターカーブ法による破壊靭性評価を行うことの妥当性を確認する。また4機関によるラウンドロビン試験を実施し、機関の違いによらずToが決定できるか否かを確認する。
主な成果
(1) 溶接金属へのMini-C(T)試験片の適用性
Mini-C(T)試験片と板厚12.7mmの0.5T-C(T)試験片のそれぞれから得られた破壊靭性の温度依存性は互いに一致し、試験片寸法によらず同等であることが示された(図1)。破壊の起点はへき開破壊の形態であり、試験片板厚方向の拘束低下の影響は顕著でなく注3)、破壊靭性分布のワイブル指数と温度依存性の指数はマスターカーブ法の適用の目安となる4および0.019に近かった。これらより、本研究で対象とした圧力容器鋼溶接金属に対しMini-C(T)試験片を用いたマスターカーブ法が適用できるものと判断した。
(2) ラウンドロビン試験結果
同一工程で加工済みのMini-C(T)試験片を4つの機関(表1)に配布し、それぞれの機関で実施した破壊靭性試験結果から、規格(ASTM E1921-10e1)に定められたToを決定できることが示された。4者によるToの差は最大14℃であり、先行研究 注4)で圧力容器鋼母材に対しほぼ同等の個数の破壊靭性データから得られた結果(Toの差は16℃)と同等であった(図2)。
[Abstract]
CRIEPI is conducting a series of research projects to establish the Master Curve fracture toughness evaluation technique utilizing the miniature C(T) specimens, whose dimensions are 4x10x9.6 mm. The applicability of the technique was already confirmed through the CRIEPI's in-house researches and international round robin tests on typical Japanese RPV steel base metals. The present report addresses the applicability of the technique on a RPV weld metal with multi-layer weld bead structure. The fracture toughness test results were examined in detail on fracture appearance, toughness distribution, temperature-toughness trend curve and specimen size dependency. All the results suggest that the fracture toughness data obtained with miniature C(T) specimens hold good conformity to the assumptions of the Master Curve method. CRIEPI carried out a round robin test with participation of SCK CEN, EPRI and HZDR. All the participants successfully evaluated valid reference temperature separately. The discrepancy among the participants was at the most 14 degC, which is locating within the acceptable scatter range as the Master Curve evaluation. From overall examination results, it was concluded that the miniature C(T) specimen can be used for the Master Curve evaluation of tested PRV weld metal.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2016
発行年月 [Issued Year / Month]
2017/04
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

山本 真人

材料科学研究所 構造材料領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
マスターカーブ法 the Master Curve method
破壊靭性 fracture toughness
圧力容器鋼 Reactor Pressure Vessel steel
ミニチュアC(T)試験片 miniature C(T) specimen
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