電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

U96017

タイトル(和文)

鉱物の化学的風化による酸性降下物の中和作用の評価法

タイトル(英文)

ESTIMATION OF NEUTRALIZATION OF ACID DEPOSITION BY CHEMICAL WEATHERING

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

欧米では酸性降下物が原因と考えられる陸水の酸性化が報告されており,日本においても,将来酸性化が生じることが危惧されている。日本の陸水水質の長期的な酸性化を予測するためには,主要な中和機構と考えられる鉱物の化学的風化による中和作用について正確に評価することが必要と考えられる。本報告書では,流域全体の物質収支と,流域内の主要な鉱物の風化反応式を用いて,酸性降下物が中和される作用を,鉱物の化学的風化と土壌とのイオン交換とに分離する手法を提案し,試験流域に適用した。その結果,試験流域においては,H+の大部分はイオン交換よりも鉱物の化学的風化によって中和されており,現状では酸性降下物による陸水水質への影響は小さく,今後短期間で河川水の酸性化が生じることはないと考えられる。また,本研究の評価法と他の流域にも適用可能であり,酸性降下物による長期的な陸水影響を検討する上で有効と考えられる。

概要 (英文)

ACIDIFICATION OF STREAM AND LAKE WATERS HAS NOT YET BEEN REPORTED IN JAPAN EXCEPT IN TAKES ACIDIFIED BY VOLCANOS ORMINES.HOWEVER,THE ACID DEPOSITION LOAD IN EASTERN ASIA IS SIMILAR TO THAT IN NORTHERN EUROPE AND NORTH-EASTERN USA,WHERE ACIDIFICATION OF LAKE WATER HAS OCCURRED.TO PREDICT LONG-TERM CHANGES IN SURFACE WATER CHEMISTRY,IT IS NECESSARY TO CLARIFY AND QUANTIFY ACID-NEUTRALIZATION MECHANISMS IN WATERSHEDS, THIS REPORT PROPOSES A METHOD FOR ESTIMATING ACID-NEUTRALIZATION BY CHEMICAL WEATHERING AND VERIFIES THE PROPOSAL APPLICATION TO A JAPANESE MOUNTAIN WATERSHED.THE METHOD QUANIFIES THE INPUT-OUTPUT BUDGET AND ESTIMATES CHEMICAL WEATHERING OF MINERALS IN THE WATERSHED. THE PRINCIPAL RESULTS ARE: (1)THE METHOD CAN ESTIMATE ACID NEUTRALIZATION BY CHEMICAL WEATHERING IN THE WATERSHED. (2)CHEMICAL WEATHERINGOF PRIMARY MINERALS PLAYS AN IMPORTANT ROLE IN ACID-NEUTRALIZATION IN THE SURVEYED. (3)SURFACE WATER IN THE WATERSHED IS NOT ACIDIFIED BY ACID DEPOSITION IN THE SHORT TERM.

報告書年度

1996

発行年月

1996/10/01

報告者

担当氏名所属

池田 英史

我孫子研究所環境科学部陸域環境グループ

宮永 洋一

我孫子研究所環境科学部陸域環境グループ

キーワード

和文英文
酸性降下物 ACID DEPOSITION
鉱物 MINERAL
化学的風化 CHEMICAL WEATHERING
試験流域 EXPERIMENTAL WATERSHED
物質収支 INPUT-OUTPUT BUDGET
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