財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
V16002
タイトル
厨房排気フードにおけるトレーサガス捕集率に基づく粒子捕集率の近似
[Title]
Approximation of collection efficiency for particles at kitchen exhaust hood based on collection efficiency of tracer gases
概要
背 景
当所は電化厨房の新たな換気設計手法を確立するため、種々の条件におけるトレーサガス捕集率のデータを蓄積している1)。実調理ではガス状成分のほか粒子状成分も排出されるが、試験の簡便さのため、両成分の捕集率が一致するとの仮定に基づいて評価されることが多い。実際の厨房では調理作業による気流擾乱2)があるなど粒子挙動の慣性の影響が顕著となり、両成分の捕集率が乖離する可能性がある。粒子状成分の捕集率をガス状成分の捕集率により近似することの妥当性や、その近似方法が求められている。
目 的
気流擾乱がある場合のトレーサ粒子及びトレーサガスの捕集率を評価することにより、両者の捕集率に差がある場合の近似方法を提案する。
主な成果
1.トレーサガスとトレーサ粒子の捕集率の関係
気流擾乱を起こすため、フード枠外から横風を発生させて、フード直下からトレーサガスとトレーサ粒子を同時に発生させた(図1)。その結果、フライドポテト調理のように粒径1 μm程度の微小径が卓越するトレーサ粒子(図2a:パターンA)を発生させた場合は、トレーサ粒子とトレーサガスの捕集率はほぼ一致した(図3)。これに対して、ハンバーグ調理のように粒径6〜7 μm付近の粗大径が卓越するトレーサ粒子(図2b:パターンB)を発生させた場合、トレーサガスの捕集率が90〜100%の時にトレーサ粒子の捕集率もほぼ等しい値となった(図3)。一方、トレーサガスの捕集率が90%を下回ると、トレーサ粒子の捕集率は大幅に低下した。このとき両者には高い相関が認められた(r2=0.90)。
2.トレーサガス捕集率を用いた粒子捕集率の近似方法の提案
パターンB(図2b)はハンバーグ調理を模擬した粒径分布であり、調理の中でも粗大径の発生割合が高いものと考えられる3)。したがって、フードにおける粒子状成分の捕集率をより安全側に評価するためには、ハンバーグ調理により発生する粒径分布を模擬したパターンBにおけるトレーサ粒子とトレーサガスの捕集率の関係に基づき、トレーサ粒子の捕集率を近似することが望ましいと考えられた。得られた結果に基づき、トレーサガスの捕集率が60〜90%の範囲にあるとき、近似式y = 1.49x - 47.1(x, yはそれぞれトレーサガス、粒子の捕集率。r2=0.90)を用いて粒子の捕集率をトレーサガスの捕集率から補正する方法を提案した(図3)。同法により、粒子の捕集率を測定することなく、トレーサガスの捕集率から粒子の捕集率を簡便に近似することが可能となった。


本研究では、気流擾乱がある場合のトレーサ粒子及びトレーサガスの捕集率を評価することにより、両者の捕集率に差がある場合の近似方法を提案することを目的とした。粒径1μm程度の微小径が卓越するトレーサ粒子を発生させた場合は、トレーサ粒子とトレーサガスの捕集率はほぼ一致した。これに対して、粒径5〜6 μm以上の粗大径が卓越するトレーサ粒子を発生させた場合、トレーサガスの捕集率が90〜100%の時にトレーサ粒子の捕集率もほぼ等しい値となった一方で、トレーサガスの捕集率が90%を下回ると、トレーサ粒子の捕集率は大幅に低下した。このとき両者には高い相関が認められた。以上の結果に基づき、トレーサガスの捕集率が90%を下回った場合には、補正式y = 1.49x - 47.1(x, yはそれぞれトレーサガス、粒子の捕集率)を用いて粒子の捕集率をトレーサガスの捕集率から補正する方法を提案した。同法により、粒子の捕集率を測定することなく、トレーサガスの捕集率から粒子の捕集率を近似することが可能となった。
[Abstract]
Collection efficiency of gases and particles at exhaust hood in case gas stream disturbance being generated was evaluated in this study. In addition, we proposed the approximation method to estimate the collection efficiency of particles at kitchen exhaust hood by using that of tracer gases. Gas stream disturbance was generated by an electric fan. Collection efficiency of tracer gas at exhaust hood was capable to adjust 70 to 90 % by means of changing the distance between the exhaust hood and the fan. Tracer particles were generated two patterns, one was <1 um peak top of unimodal (pattern A), the other was < 1 um and 6um peak tops of bimodal distributions (pattern B). Collection efficiency of tracer particles generated as pattern A at exhaust hood was quite similar to that of tracer gases which were generated simultaneously. On the contrary, collection efficiency of tracer particles generated as pattern B was degraded more than that of tracer gases in case collection efficiency of tracer gases was below 90%. Collection efficiency of tracer particles and that of gases showed fine correlation, indicating that collection efficiency of particles was corrected by that of tracer gases. Based on the results above, we proposed to approximate the collection efficiency of particles using the correlation between the collection efficiency of particles generated as pattern B and that of gases.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2016
発行年月 [Issued Year / Month]
2017/03
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

田中 伸幸

環境科学研究所 環境化学領域

津崎 昌東

環境科学研究所 環境化学領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
オイルミスト Oil-mist
業務用厨房 Commercial kitchen
排気フード Exhaust hood
捕集率 Collection efficiency
気流擾乱 Disturbance
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