財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Y07008
タイトル
原子力の燃料供給安定性の定量的評価
[Title]
A Valuation Study of Fuel Supply Stability of Nuclear Energy
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
日本のエネルギー・電力構成を前提に、原子力が持つ供給安定性の外部経済を定量的に明示し、エネルギー・電力政策の策定・実施に係る議論に供するため、エネルギー分野において想定すべき燃料供給における不安定性を整理した上で、それら不安定性への耐性として定義される原子力の持つ供給安定性として特徴的な3点を摘出し、それぞれについて定量的な分析を行い、以下の結果を得た。
(1) 経済的安定性
・ 燃料価格の変動が発電コストに及ぼす影響について、最適電源構成モデルを用いて分析した結果、天然ウラン価格の高騰が発電コストに及ぼす影響は、原子力の導入規模にかかわらず極めて小さい。化石燃料の輸入価格が高騰した場合、発電コストは大きく上昇し、その上昇幅は2倍高騰時で2030年度に2.3、3.4円/kWh(今後の原子力新規設置13基および3基の場合)、5倍高騰時で2030年度に9.4、13.8円/kWh(同)となる。これを一般家庭(電気使用量を300kWh/月と想定)の電気料金に換算すると、化石燃料価格高騰時の世帯・月あたり追加負担は700〜4,000円程度となり、原子力新規設置10基の積み増しにより追加負担を3割程度緩和できる。
(2) 資源調達安定性
・ エネルギー資源調達の安定性を、世界の資源埋蔵の集中度や、日本の燃料調達先の集中度や政情安定度などから定量的に評価した結果、原子力(ウラン)の調達リスクは石油に対して1/3程度と低く、石炭と並んで安定性に優れている。この結果を用いて日本の一次エネルギー供給構成の推移について分析した結果、日本のエネルギー資源調達の安定性は、原子力などによる石油代替の着実な進展により、石油危機当時から大きく改善した)。
(3) 潜在的備蓄効果
・ 原子力システムがランニングストックの形で具備している潜在的備蓄は現状で約2.35年分に相当し、またその間の再処理からの回収ウラン・回収プルトニウムを再利用することで、さらに0.5年程度の追加的効果が期待できる。長期的には、使用済燃料蓄積のリサイクル利用により、燃料供給の不安定性に対する耐性は飛躍的に拡大する。
今後の課題として、今回の分析は現状を前提とした評価であり、とくにウラン濃縮など個別かつ重要な市場の状況分析については、状況変化ある毎に見直しを加える必要がある。また、エネルギー安全保障の概念についてはより深く分析を加え、今回の評価を総合化した新たな評価指標の開発を図っていく。
[Abstract]
In order to assess potential benefits of nuclear power with regard to its characteristics of fuel supply stability, the following three aspects are valuated under the Japanese energy and electricity mix: a) economic stability; i.e. nuclear power's comtribution to the whole energy and electricity mix in terms of resistence to fluctuation and/or fuel price hikes, b) procurement stability; i.e. natural uranium, the raw fuel material for nuclear power generation, is being imported from more reliable sources through adequately diverse markets than in the cases of oil and natural gas, and c) passive reserve effect; i.e. fuel materials as running stocks at power stations and fuel service facilities could maintain nuclear power generation running for a certain duration under unexpected disruption of fuel supply.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2007
発行年月 [Issued Year / Month]
2008/04
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

長野 浩司

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

朝岡 善幸

原子力技術研究所

永田 豊

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

浜潟 純大

社会経済研究所 地域研究領域

人見 和美

社会経済研究所 地域研究領域

星野 優子

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

上野 貴弘

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

門多 治

社会経済研究所 地域研究領域

日渡 良爾

原子力技術研究所 新型炉領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
原子力 Nuclear Energy
供給安定性 Stability of Supply
エネルギー安全保障 Energy Security
外部経済 External Economy
リスク Risk
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