財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Y14002
タイトル
再生可能エネルギーの大量導入が電源の設備量と運転モードに及ぼす影響評価−揚水式水力の精緻化と全国大での試算−
[Title]
An Evaluation of Effects of Large-Scale Introduction of Renewable Power on Capacities and Operation Modes of Power Generation Systems in Japan
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
日本政府は,再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法により,太陽光発電等の大量導入を目指している。しかし,太陽光・風力発電は気象により出力が変動するので,LFC(負荷周波数制御)の必要量確保や,電源の部分負荷運転による効率の低下などに伴うコスト増分も含めて,総合的に評価する必要がある。本報告では、太陽光・風力発電の大量導入時に,電力の需給バランスだけでなく,LFC確保や効率低下等も考慮して,電源構成と電源運用を最適化する手法を開発し,大量導入による増分コストを全国大で概略把握する。主な成果は次の通りである。1. 火力発電の複数の運転モードを考慮して電源構成を最適化するモデル(MM-OPG)の揚水式水力について,可変速揚水と固定速揚水とを区別すると共に,発電時と揚水時における負荷率に応じて変化する効率やLFC確保量を考慮できるようにした。本モデルを使い,全国大で2020年および2030年の1年間1時間毎の電力需給に対して最適化計算を行ったところ,以下の計算結果を得た。2.2030年に向け太陽光・風力発電の導入量を拡大しても,冬期夕方の予備力確保やLFC確保のため,太陽光等以外の系統電源設備の代替は進まない。最大導入ケース(全国で太陽光108GW,風力42GW)で代替可能な設備量は0.5GWである。3.太陽光発電等の大量導入により,電源別の運転モードが変化する。LNG複合発電 (LNGCC)は,部分負荷運転および停止状態が増加し,その設備利用率は,最も低下するケースで43%から29%へ変化する。揚水式水力に関しては,揚水運転時にもLFCに貢献する可変速揚水の設備利用率が高くなる。火力発電の設備利用率低下による設備費負担の増加,揚水運転による電力ロスの増加等により,太陽光等以外の系統電源の平均発電単価は,最大導入ケースで0.55円/kWh増加する。太陽光・風力出力の抑制ルールの厳格化や,現状モデルで考慮しないユニット容量や予測外れへの対応を考慮すると,太陽光等の導入の影響は更に大きくなる。4.太陽光・風力大量導入時には,太陽光等受入れによる燃料費削減よりも揚水式水力の運転等の調整コスト増加が大きくなるため,出力抑制率が上昇する。特に,太陽光よりもLFC必要量の大きい風力の抑制率が大きい。最大導入ケースで風力28GWの導入を仮定した東日本では,ほぼ風力のみが抑制される。太陽光62GWの導入を仮定した西日本では,風力・太陽光共に抑制される。
[Abstract]
This study aims to establish a methodology to adequately evaluate an optimal power generation mix in Japan taking into account load frequency control (LFC) capacity and operation modes of power plants in case of a large-scale introduction of photovoltaic and wind power. For this purpose, the authors gave such an improvement to the MM-OPG model, a power generation mix optimization model, that it can deal with different operation modes of pumped hydro power in addition to those of thermal power sources. Using the model, the authors calculated the optimal power generation mix and its corresponding operation modes of Japan's power systems in 2030 with additional insights to 2020, and obtained the following results. (1) Introduction of photovoltaic and wind can be substituted for a limited capacity of conventional power sources. The introduction of 150 GW that consists of 108GW of photovoltaic and 42GW of wind in 2030 can replace no greater than 0.5 GW of conventional power sources. (2) The introduction of the renewables will affect the operation patterns of thermal and pumped hydro power generation. The capacity factor of variable speed pumped hydro will be much greater than that of fixed speed pumped hydro since the former can supply LFC at pump modes as well as generation modes. The capacity factor of LNG combined cycle plants decreases from 43% to 29% in the case with the introduction of 150GW of renewables in 2030. On the same assumption, the average cost of power generation excluding the renewables increases by up to 0.55 JPY/kWh in 2030
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2014
発行年月 [Issued Year / Month]
2014/12
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

山本 博巳

社会経済研究所 エネルギー技術評価領域

矢部 邦明

社会経済研究所 エネルギー技術評価領域

坂東 茂

社会経済研究所 エネルギー技術評価領域

永井 雄宇

社会経済研究所 エネルギー技術評価領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
再生可能エネルギー Renewable energy
最適電源構成 Optimal power mix
自然変動電源 Variable renewable energy
需給調整力 Supply and demand adjustment
揚水式水力 Pumped hydro power
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