財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
Y14022
タイトル
産業・業務用需要家から見た小売電力市場の競争状況の分析−料金メニュー・サービス多様化を巡る競争の可能性−
[Title]
An Analysis of Competitive Situation in Retail Electricity Market from the Perspective of Industrial and Commercial Customers - Competition through Diversification of Electricity Tariffs and Energy Services -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
本研究では、産業・業務用需要家を対象としたアンケート調査(沖縄を除く全国、2014年11〜12月実施、郵送調査、回答数2,905件)にもとづき、需要家による小売電気事業者の選択行動の実態を把握し、競争に影響を与える要因を明らかにする。また、多様な料金メニューやサービスを提供することが競争に与える影響について考察した。主な成果を以下にまとめる。
(1)東日本大震災の後、新規事業者や他地域の電力会社の営業活動を受けた需要家は2〜4割程度であり、震災前(2割未満)と比べてその割合は増えた。ただし、新規事業者等への問い合わせや料金試算、正式な料金見積りに至った割合は数%〜10%程度にとどまっている。この背景の1つに、需要家が新規事業者等に契約先を変更すると停電が増えるかもしれないといった不安を抱いていることがある。新規事業者と契約しても停電頻度には影響ないため、競争環境の整備という点でこのような不安が残ることは望ましくないが、新規事業者等の営業活動を受けてもこの不安はあまり緩和されていない。競争環境を整備する上では、費用対効果に留意しつつ、競争の当事者から中立的な国などの主体の働きかけにより、需要家の不安を緩和することが課題といえる。
(2)大口需要家の約半数は、契約更新時に料金メニューを見直すことにしており、小売電気事業者の選択において料金メニューの種類を考慮する傾向が小口需要家よりも強い。今後の電気料金の上昇を懸念し、電気料金の予見可能性を高めたいというニーズから、4〜5割の需要家が料金単価を一定期間固定する契約に関心がある。ただし、新規参入が増えている現状では、機動的な契約変更の余地を残したいというニーズもあり、長期契約を好まない需要家も存在する。
(3)震災前と比べ、エネルギー関連サービスを扱う小売電気事業者が増加し、特に小口需要家と接点のある事業者は省エネやエネルギー設備の保守管理に関するサービスを扱うケースが多い。業務用小口需要家は小売電気事業者のサービスに対して相談の手間が少ない、トラブルが少なさそうといった点で期待しており、小売電気事業者が、身近で信頼できる存在としてサービスの相談を受けることで、電力小売の営業活動を効率化することも可能となり、競争の活性化も期待される。
[Abstract]
The retail electricity market in Japan has been liberalized since 2000. The market share of new entrant electricity suppliers was about 5 percent in 2014. This report reviews suppliers' sales activities and industrial and commercial customers' choice behaviors of retail electricity suppliers after the Great East Japan Earthquake in 2011 based on a customers' questionnaire survey conducted in November and December, 2014. Firstly, the result shows that while about 20 to 40 percent of customers have received sales activities of retail electricity suppliers, only a few percent of customers have eventually sought switching possibilities based on price estimates. Secondly, diversification of electricity tariffs is significant in retail competition for large customers because a half of large customers review their tariffs in renewal of their contracts. Thirdly, diversification toward new energy related services, such as services for energy efficiency and energy equipment maintenance for small customers, could make retail competition more active because small customers hope that they could consult retail electricity suppliers and receive such services with less trouble.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2014
発行年月 [Issued Year / Month]
2015/05
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

後藤 久典

社会経済研究所 電気事業経営領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
電力小売自由化 Electricity retail market liberalization
産業・業務用需要家 Industrial and commercial customer
小売電気事業者変更 Switching electricity supplier
料金メニュー Electricity tariff
エネルギー関連サービス Energy related service
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