社会経済研究所

ディスカッションペーパー

2030年までのエネルギー需給展望の見直し
-2010年度改訂版総合エネルギー統計に準拠した試算結果の概要-

  • 星野 優子,永田 豊,浜潟 純大
  • SERC Discussion Paper 15001
  • Date:2015.04.06
   

要約

 

   現在、日本政府は、需要見通しとエネルギーミックスの検討を進め、2030年のエネルギー需給の定量的な姿を示そうとしている。当所では東日本大震災直後に、2030年までの産業構造・エネルギー需給展望を実施したが(浜潟 [2013])、この2年余りの間に、エネルギー需給を巡る情勢は大きく変化した。需給見通しは、エネルギーミックスの議論の土台となるため、継続的な見直しが不可欠である。本稿では、見直しのポイントとして以下4点、1)アベノミクス以降の経済・産業構造シナリオ、2)原子力・再エネ導入量シナリオ、3)省エネの見通し、4)燃料価格の見通し、をとりあげ、展望の概要を紹介する。  
   見直しの結果、@電力需要は経済成長の想定に大きく左右され、高成長シナリオと低成長シナリオの間で2030年に1,400億kWh超の差が生じること、A2030年に原子力ゼロ・再エネ比率30%とするケースでは電力価格が大幅に上昇すること、Bマクロの省エネ指標であるエネルギー需要のGDP原単位は産業構造の変化等で低下し、標準ケースでは平均で年率1.1%改善するが、燃料価格が低いケースや低成長のケースでは低下のペースが鈍化すること、C燃料価格についてIEAのWorld Energy Outlook2014年版の予測値を、足元の水準に合わせた低価格シナリオに置き換えると、2030年時点で約500億kWhを超える需要増となる可能性があること、が分かった。  
   また、@とCでみた経済成長シナリオによる幅と燃料価格シナリオによる幅をCO2排出量に換算すると、合計で2005年排出量の17%分に相当する量となる。このことは、一通りのシナリオ想定に基づくCO2排出量の削減目標の設定の困難さを示唆している。

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「社会経済研究所 ディスカッションペーパー」の記載において、意見にかかる部分は筆者のものであり、電力中央研究所又はその他機関の見解を示すものではありません。

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