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  2010・2011年度短期経済・販売電力量予測 【2010年10月】
短期予測

平成22年10月13日 公表
「〜2011年度に掛け、景気・電力需要共に減速へ〜」


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予測要旨

<1.標準予測の概要>
2010 年 4〜6 月期の実質 GDP (2 次速報値,内閣府公表)は前期比 0.4 %増(前年比 2.4 %増)と 3 四半期連続の増加となったが、前期の同 1.2 %増からは大幅に伸びを鈍化させた。成長に対する寄与度をみると、個人消費や住宅投資などの家計需要を中心に内需(寄与度+0.0%P)が弱い一方で、外需(同+0.3%P)が下支えした。
・今後については、実質GDPは 2009 年度の前年度比 1.9 %減のあと、10 年度が同 2.4 %増(ゲタを除いた実勢成長率は 1.1 %増)、11 年度は同 1.8 %増(同 1.0 %増)とプラス成長ながら減速する。国内では家計需要を支えていた政策効果が減衰すること、公的需要も減少に転ずることに加え、輸出の伸びも鈍化するためである。ただ、新興国を中心とする海外経済の回復は途切れず、外需は国内景気を下支えする。
・需要項目別にみると、家計部門では、雇用・所得環境の改善の動きが一服することから個人消費は2009 年度前年度比 0.7%増の後、10 年度は同 1.3%増、11年度は同 0.3%増と伸びを大幅に鈍化させる。住宅投資は 09 年度同 18.5%減と 5 年連続減少の後、10 年度同 5.7%減、11年度同 2.1%減とさらに減少が続く。一方、企業部門では、設備投資は企業収益の改善が11年入り以降頭打ちになり、足元の円高を受けた経営者の先行きに対する慎重な見方も加わって、09 年度同 15.3%減の後、10 年度同 5.9%増、11年度同 3.6%増と鈍い回復にとどまる。公共投資は 09 年度の前年度比 9.3%増の後、政権のスタンスを受けて10 年度同 5.5%減、11 年度同 2.8%減とマイナスに転じる。実質 GDP 成長率に対する海外需要寄与度は 09 年度が +0.4%Pの後、10〜11 年度はそれぞれ+1.2%P と、成長の押し上げ要因として作用する。
完全失業率(年度平均)は 2009 年度に 5.2%と前年度から 1.1%ポイント悪化した後、 10 年度 5.2%、11年度 5.1%と横ばいで推移する。名目賃金は 09 年度が前年度比 3.6%減の後、10 年度同 2.8%増と 3 年ぶりに増加するものの、11 年度は同 0.7%増に伸びを鈍化させる。消費者物価指数(総合)は 09 年度の前年度比 1.6 %低下の後、10 年度(同 0.2 %)に続いて、11 年度も同 0.5 %上昇するものの、デフレから完全に脱却できない状況が続く。
円ドルレート(年度平均)は、2009 年度92.8 円/ドルの後、10 年度は同 87.5 円/ドルまで円高が進行するものの、11 年度は米国実質金利の上昇に伴う日米実質金利差の拡大から同 94.7 円/ドルと円安傾向に転じる。

<2.電力需要予測>
  販売電力量(10社計)は、今夏の猛暑と、比較的順調な大口産業用需要の回復(2010年度前年度比7.5%増)を受けて、2010年度は同 4.3 %増となるが、11年度は生産活動の減速を背景に同 1.1 %増に伸びを低める。電灯需要は、10年度は同 4.0 %増、11年度は同 1.0 %増、一方、電灯以外の電力需要は、10年度は同 4.4 %増、11年度は同 1.1 %増となる。

<3.シミュレーション分析>
1) 円高・世界貿易縮小シミュレーション
  標準予測では、2011年度には日米実質金利差の拡大を受けた円安シフトと、世界貿易量(日本を除く実質世界輸入)の8%程度への増勢の鈍化を想定している。ここでは、直近の1ドル80円台半ばの水準が予測期間中持続し、米欧経済が再度調整に入って世界貿易量も4%増程度に伸びが鈍化すると想定し、それが日本経済に与える影響評価を行った。
  シミュレーション結果(図表3)をみると、海外経済の悪化と円高の価格要因により、輸出が減少し、その鉱工業生産・内需へのマイナス波及を受けて、11年度の実質GDPは標準ケース比1.4%低下し、実質0.5%成長に落ち込む。また、販売電力量は、同じく0.8%の増加にとどまる。なお、円高のみの場合には、実質GDPは0.5%程度低下し、11年度は実質1.3%成長となる。
2) 公共投資積み増し・法人税減税シミュレーション
  一方、今年度下期以降、エコカー優遇制度の縮小などの政策縮小や、円高によるミニ生産調整を背景に、補正予算組成を伴う経済対策が検討されている。ここでは、真水2兆円規模の需要追加策と、11年度から法人税実効税率10%引き下げが実現した場合のマクロ経済影響を試算した。このケースでは、実質GDPは、官民投資の押し上げなどを通じて、標準ケース対比で 0.4 %程度、販売電力量は同じく0.2%程度増加し、円高要因の負の影響はほぼ相殺される。
3) 気温シミュレーション
  標準予測では、気温変数は2010年度上期は実績値または実績推定値に、10〜12月期以降は前年並に設定している。ここでは販売電力量予測において、(1) 2011年度が猛暑・厳冬の場合(経済は標準予測)、(2) 11年度が猛暑・厳冬で、経済環境が3-2) の場合、(3) 11年度が冷夏・暖冬の場合(経済は標準予測)、(4) 11年度が冷夏・暖冬で、経済環境が3-1) の場合、の4ケースについてシミュレーション分析を行った。
  まず(1)の2011年度の気温が1990年代半ば以降、もっとも猛暑・厳冬であった年の数値を用いたケースでは、電灯需要が前年比1.6%増、電力需要が同1.3%増となり、11年度の販売電力量は、標準予測よりも0.3%高い前年比1.4%増となる。これに経済対策効果が加わる(2)では、電力需要が押し上げられて同1.5%増となり、11年度の販売電力量は、標準予測よりも0.5%高い前年比1.6%増となる。
  逆に、近年で最も著しい冷夏・暖冬と同様の場合(3)には、2011年度の電灯需要が前年比2.6%減、電力需要が同2.5%減となり、販売電力量合計では、標準予測よりも3.7%低い前年比2.6%減となる。これに円高・世界貿易縮小が加わる(4)では、電灯需要が2.8%減、電力需要が同2.9%減まで落ち込み、11年度の販売電力量は、標準予測よりも4.3%低い前年比2.9%減となる。



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