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家庭用給湯器「エコキュート」を世界に先駆けて商品化 高効率CO2冷媒ヒートポンプ給湯器を開発

エコキュート外観

独自に製作したエコキュートの原型機

エコキュート*は、電気と空気の熱を利用してお湯を作るヒートポンプ給湯機です。わが国の家庭におけるエネルギー需要のうち、給湯用途は約3割を占めるため、給湯機器の高効率化は省エネに大きく寄与します。
  当所では環境負荷の小さい自然冷媒であるCO2にいち早く着目して、家庭用高効率ヒートポンプ給湯機の開発に取り組み、世界に先駆けて商品化しました。

  • 給湯用エネルギーの削減と環境負荷の軽減を両立
  • エコキュートは国内累計普及台数463万台を突破(2015年3月末時点)
  • 世界のエネルギー消費量、CO2排出削減に大きく貢献

*エコキュート:電力会社・給湯機メーカーが用いている「自然冷媒CO2ヒートポンプ式給湯機」の愛称

これまでの成果

 CO2の冷媒利用はすでに海外で考案されていましたが、当所での基礎研究の結果、給湯用途で高い効率が期待できることが明らかになりました。この成果を基に、東京電力(株)、(株)デンソーとの共同研究を進め、2001年に世界で初めて家庭用CO2冷媒ヒートポンプ給湯機「エコキュート」を商品化しました。エコキュートは2016年3月末時点で、累計約500万台が国内で普及しています。

CO2冷媒ヒートポンプ給湯機の原理

今後の展開

 エコキュートは恩賜発明賞や省エネ大賞、米国EPA賞など国内外で数々の賞を受賞し、学術的にも高い評価を受けています。IEA(国際エネルギー機関)では、2050年に期待できる冷暖房・給湯分野のCO2削減量の約半数以上をヒートポンプ技術(エコキュートなど)によるものと想定しており、さらなる技術開発に大きな期待が寄せられています。
 当所では現在、メーカー各社機器の客観的な性能評価を行うとともに、寒冷地対応やさらなる高効率化に繋がる技術開発など、ヒートポンプの高度利用に向けた研究に取り組んでいます。

 
家庭用エコキュートの累計出荷台数の推移   恩師発明賞ほか多数受賞

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