ここ・そこに電中研

低線量放射線による影響の解明

放射線による組織細胞の損傷(特殊な染料により損傷部を明るい輝点に染色)

低線量率放射線長期照射設備

当所は、国内他機関に先駆けて1980年代から低線量放射線の生物影響研究に取り組んでいます。動物や細胞に低線量の放射線を長期間照射出来る設備や、細胞1個1個を狙い撃ちできる設備を使用して、放射線影響における線量率(単位時間当たりの被ばく量)の効果や、放射線があたった細胞の応答メカニズムを解明し、その生物影響を定量的に評価することを目指しています。

  • 疫学調査と生物応答メカニズム解明の両側面から研究を推進
  • 放射線防護基準への反映を目指し、国際的に情報を発信
  • 放射線影響に関する科学的なデータを継続的に社会に発信

これまでの成果

 当所では、動物や細胞を使った数多くの実験から、放射線の人体影響は被ばくした総線量だけでなく線量率にも大きく依存し、線量率が低ければ影響が緩和されることを明らかにしました。自然放射線がもともと高い地域での疫学調査からは、自然放射線の5倍程度の線量率までは放射線の影響が体内に蓄積しないという結果が得られています。現在は、マウスや培養細胞を用いた実験により、この疫学調査の結果の裏付けとなる生物応答メカニズムの解明に取り組んでいます。

高自然放射線地域の疫学調査結果   マイクロビームX線照射装置
高自然放射線地域の疫学調査結果   マイクロビームX線照射装置

今後の展開

 当所は、得られた成果をICRP(国際放射線防護委員会)が取りまとめる放射線防護体系に反映することを目指しています。また、2011年の福島第一原子力発電所の事故直後から、一般市民や電力会社の社員等に客観的な情報提供や、放射線防護の観点からの復旧支援を行いました。また、多くの専門家の講演や著作、マスコミの報道などで成果が引用され、活用されています。今後は、国内の関係機関と連携して研究プラットフォームを構築し、国内外の規制機関や一般社会に向けた科学的な情報の提供や、低線量放射線研究の加速・強化を行っていくことを目指しています。

研究プラットフォームを通じた研究推進と情報発信
研究プラットフォームを通じた研究推進と情報発信

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