財団法人 電力中央研究所

プレスリリース

超音波探傷試験における新しい傷深さ測定手法(SPOD法)を開発

-過去30年以上用いられてきた従来手法よりも、
より簡便・迅速・低コストに測定が可能に-

平成17年11月30日
財団法人 電力中央研究所
  財団法人電力中央研究所(理事長:)は、このたび、従来の非破壊検査手法に比べて、簡便、迅速、かつ低コストで傷の深さを測定できる新しい超音波探傷試験法(SPOD法)を開発しました。

  これまで火力発電所や原子力発電所などでは、配管の溶接部などで生じる傷の深さを測定するためには、古くからある「端部エコー法」や、1970年代後半に考案された「TOFD法」(Time of Flight Diffraction:飛行時間解析の略)などが用いられてきました。しかし、「端部エコー法」は深さ測定の操作が煩雑であり、「TOFD法」はステンレス鋼製などの厚肉構造物に適用できないといった課題があります。

  「SPOD法」(添付図参照)はこれらの課題を解決し、安価な装置でより簡単に短時間で金属内部の傷の深さを正確に求めることが可能です。また、各種配管の他、橋梁などの大型鋼構造物の超音波探傷にも利用できます。

  なお、当研究所ではこれまでにも、傷の”深さ”測定のための「TOFD法」に、傷の”位置”測定の精度が高い「フェーズドアレイ法」という方法を組合わせて、金属内部の傷の”深さ”や”位置”を正確に調べる方法を提案してきましたが(参考:電中研ニュース404号)、今後、これまでの「TOFD法」を本「SPOD法」に置き換えれば、金属の材質的な制約を受けず、「TOFD法」では測定が難しかった厚肉のステンレス鋼製配管などでも、より簡便に”深さ”や”位置”を調べられるようになる可能性があります。

  非破壊検査技術は、電気事業のみならず一般の化学プラントなどさまざまな産業分野で、合理的なプラント管理をしていくための大変重要な技術であり、当研究所でも、今般開発した手法を、今後広く社会に役立てていきたいと考えています。

  詳細につきましては、添付資料 をご参照ください。
問合せは、こちら からお願いいたします。

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