財団法人 電力中央研究所

プレスリリース

イオン液体を用いた高性能有機電界効果トランジスタを開発

〜ICタグや有機フレキシブルディスプレーに応用可能〜

平成20年9月19日
財団法人 電力中央研究所
国立大学法人 大阪大学
 財団法人電力中央研究所(理事長:、東京都千代田区)は、今般大阪大学(総長:鷲田清一、大阪府吹田市)と共同で、リチウム二次電池の研究などで注目されているイオン液体を用い、高性能な有機単結晶電界効果トランジスタを作製することに成功しました。

 今回試作した、有機材料を用いた電界効果トランジスタ(以下 有機FET)は、従来の有機FETに比べて100〜500分の1程度の非常に弱い電圧(約0.2V)で動作するとともに、電気二重層を用いた有機FETの中では最大値となる高い電荷移動度(10 cm2/Vs)を示すことが分かりました。
この値は、アモルファスシリコンの電荷移動度(1.0 cm2/Vs程度)を凌駕し、有機フレキシブルディスプレーで必要とされる性能を充分に満足するものです。

 さらにこの有機FETでは、0.1Hzから1MHzまで幅広い周波数について、高い電解容量(キャパシタンス)を持っており、高速なスイッチング性能をも兼ね備えていることがわかりました。

 有機材料は原材料が概ね低コストであり、かつ加工・成型がしやすいなどの特徴を持っていますが、本技術を用いれば将来的には、低電圧で動作し省エネ性能にも優れたICタグや有機フレキシブルディスプレーなどを廉価で大量に生産することも可能になると見込まれます。

 なお、本研究は、独立行政法人科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業個人型研究(さきがけタイプ)「界面の構造と制御」【研究総括:川合眞紀】の一環として行われました。また、科研費(17069003, 18028029, 19360009, 20740213)の助成を受けております。

詳細については、添付資料をご参照ください。
問合せは、こちら からお願いいたします。

※ 本件はエネルギー記者会、文部科学記者会、科学記者会で資料配布致しております。

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