財団法人電力中央研究所(理事長:各務 正博、本部:東京都千代田区)は、平成14年にPCB(ポリ塩化ビフェニル)を使用していないはずの変圧器に非意図的な混入が確認される問題が発生した以降、変圧器からのPCBの除去を目指して、技術開発を進めてきました。
このたび、その成果である
「加熱強制循環洗浄」および
「課電自然循環洗浄」がPCB等処理技術調査検討委員会(注)による技術評価を受け、処理技術として妥当なものであるとの評価結果を平成22年12月27日付けで同委員会から受領しました。
注:環境省がPCB処理技術を評価するために産業廃棄物処理振興財団に委託して運営されている委員会。PCB処理技術の実用化に向けて処理能力の妥当性などを評価している。
本技術は、微量のPCBが混入した変圧器など大量の重電機器の処理に対して安全で経済的な方法を社会に提供しようとするものです。
「加熱強制循環洗浄」の概要は、変圧器を解体せずに、形状を有したまま、絶縁油を入れ替え、加熱しながら強制的に絶縁油を循環させて変圧器内部のPCBを洗浄・除去するというものです。
「課電自然循環洗浄」の概要は、変圧器の絶縁油を入れ替え、一定期間変圧器に課電することにより、自然に絶縁油を変圧器内部で循環させて内部のPCBを洗浄・除去するというものです。
今後は、評価を受けた技術の実用化に向けて実証試験などの検討を重ねていく予定です。