財団法人 電力中央研究所

プレスリリース

2013・2014年度短期経済・電力需要予測(2013年6月)
− 投資マインドは弱く、自律的回復は道半ば −

2013年6月24日
一般財団法人 電力中央研究所
 一般財団法人電力中央研究所(理事長:各務 正博、本部:東京都千代田区)は、世界経済、原油価格の動向などの情報に基づき、当研究所独自の「マクロ計量経済モデル」※を用いて、日本経済および販売電力量の短期予測とシミュレーション分析を実施しました。
 当研究所では現在、堅固で柔軟な新たなエネルギー需給構造の構築を目指して研究を推進しており、電気事業の広範な活動と社会との関わりを分析する研究活動の一つとして、今後も継続的に我が国経済の短期予測に取り組んでまいります。
 今回、当研究所で行った短期予測と分析の概要は下記の通りです。

経済標準予測
実質GDP:2012年度は前年度比1.2%増
⇒ 2013年度は同2.6%増へ成長が加速
⇒ 2014年度は同0.5%増と伸びが鈍化

<2013年度>
円安と世界経済の回復による外需の増加
公共投資の増加2%台半ばの成長が実現
消費税率引き上げ前の駆け込み需要
<2014年度>
外需が引き続き成長を下支え
設備投資も弱いながらも増加成長が鈍化
一方で、駆け込み需要・公共投資増加の反動減

財政金融政策効果を持続的に展開するためには、企業行動を活発化させるための仕掛けが必要であり、成長戦略に盛り込まれている法人課税の軽減など国内投資を促す政策対応が早期に望まれます。


電力需要予測
このような経済状況と、2012年度並みの気温と節電の継続を条件とすると、全国の販売電力量(10社計)は、
⇒ 2013年度は前年度比0.7%増
⇒ 2014年度は同0.3%増   


また、シミュレーション分析では以下を実施し、それぞれ下記の通り試算しております。

 1.「2013年度販売電力量の気温シミュレーション」
 猛暑・厳冬の場合(夏季=2010年度並み、冬季=2011年度並みとした場合)
  ⇒ 販売電力量は、標準予測の前年度比0.7%増が 前年度比1.4%増 に変化
 冷夏・暖冬の場合(夏季=2003年度並み、冬季=2006年度並みとした場合)
  ⇒ 販売電力量は、標準予測の前年度比0.7%増が 前年度比1.6%減 に変化

 2.「安倍政権の財政金融政策の経済効果」
 2013年度の実質GDP成長率を、円安で1.1%ポイント、公共投資拡大で0.6%ポイント、株高で0.1%ポイント、合計1.7%ポイント押し上げ



上記予測と分析の詳細につきましては、添付資料 をご参照下さい。

以上



※ 当研究所の「マクロ計量経済モデル」について

 当研究所では1960年代初めに独自のマクロ計量経済モデルを開発し、経済予測やエネルギー需給展望などへの活用のため、モデル改良・更新を継続的に実施しております。
 本予測で利用した「電中研短期マクロ計量経済モデル(短期モデル)」は、経済成長率や失業率などの経済予測だけでなく、経済動向と整合的な電力需要予測も同時に行うことが可能です。また、財政・金融政策を変更した場合など、経済の外生条件が変化した場合の経済影響を評価することも出来ます。
 短期モデルに関する最新の研究報告書といたしましては、当研究所HPより「電中研短期マクロ計量経済モデル 2012−財政乗数の変化と震災後の節電量の推定−(Y12032)」が入手できますので、ご参照下さい。


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※ 本件は、エネルギー記者会でレクチャー付き資料配布、内閣府記者クラブ、日銀金融記者クラブで資料配布致しております。
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