当研究所狛江地区にある第5実験棟(アイソトープ施設。以下「施設」という)の排水設備について点検(止水検査)していたところ、埋設された排水管(以下「排水管」という)から排水が漏えいした可能性が高いことが分かりました。
このため土壌を掘削して調査を進めてきましたが、このほど排水管の一部に亀裂が生じ排水が漏えいしていることが判明しました。
本件により漏えいした放射性核種は極めて微量であり、かつアイソトープ施設内での漏えいであるため、本件による人および施設外(周辺環境)への影響のおそれはありませんが、皆様にご心配、ご迷惑をかけることになり、深くお詫び申し上げます。
現在、再発防止策を検討中であり、必要な措置をとり今後このようなことが起きないように努めてまいります。
- 1.事業所の概要
- 事業所名:一般財団法人電力中央研究所 狛江事業所
所 在 地:狛江市岩戸北2−11−1
- 2.発生・確認の日時
- 止水検査中断日時 :平成25年2月23日(土)12時10分頃
排水管亀裂確認日時:平成25年2月24日(日)14時05分
- 3.発生施設の名称
- 当研究所第5実験棟(アイソトープ施設・管理区域)
- 4.経 緯
- 平成25年2月23日、施設内排水管(直径15p・塩ビ管)の止水検査を行っていたところ、排水管から排水が漏えいしていた可能性があることが分かりました。
このため、直ちに施設における排水系の使用を停止するとともに、翌24日には原因究明と安全確認に着手しました。
原因究明のために、排水管が目視で確認できるまで土壌を掘削したところ、
- 第1貯留槽につながる排水管のエルボー部分において亀裂が発生していることを確認しました。
- その他の部位は健全であることを確認しました (コンクリート埋め込み排水管は今後確認) 。
安全確認については、掘削時に土壌表面の線量率を測定器(Nalシンチレーションサーベイメーター)で測りながら実施しましたが、すべての測定値がバックグランドとほぼ等しい値でした。
また、掘削した土壌については、亀裂の発生していた排水管の横(やや下方)と直下の2ヵ所、ならびに建物から排水管のつなぎ込み付近の2ヵ所を対象に、測定器(ゲルマニウム半導体検出器)を使って詳細に測定しました。
その結果、亀裂の発生していた排水管付近の2個所からはコバルト60やセシウム137の放射性核種を確認しましたが、何れも極めて微量で人や周辺の環境に影響を及ぼすレベルではありませんでした。
また、建物から排水管のつなぎ込み付近の2ヵ所からは、そうした放射性核種は検出されませんでした。
- 5.人および外部への影響
- 今回、漏水が起きた個所ならびに漏えいした排水中に含まれる放射性物質の量は極めて少ないため、人身および環境への影響はないと考えられます。
- 6.今後の対応
- 本件については事業所のある狛江市ならびに、放射線障害防止予防法に基づき文部科学省へ報告しております。
また、本件の原因究明、安全確認を継続するとともに、原因究明後、改めて施設内の止水検査を行い、排水設備の健全性を確認します。
以上の対応が完了した後、再発防止策を含め狛江市ならびに文部科学省に対して報告いたします。
添付資料
- 図1 事業所配置図
- 図2 施設配置図(1階平面図)
- 図3 調査対象(掘削範囲)
- 図4 測定個所および測定結果
- 図5 現場写真
- 表1 経緯
以上