11月2日(水)午後1時30分から霞ヶ関のイイノホールで開催した「第24回エネルギー未来技術フォーラム」は、電力、大学、マスコミ、メーカー、消費者の方などから約500名の出席者を得て、盛況裏に終了した。

 開会にあたって、白土理事長から「今年は、阪神・淡路大震災から10年目にあたるということもあり、東海地震・東南海地震・南海地震なども話題になっている。また昨今では、国内外で大規模な災害が頻発しているが、 今回の「自然災害に備える」をテーマにしたフォーラムでは、社会を支える命綱としての電力を、さまざまな自然災害に際しても、安定して供給し、安全・安心な社会を維持していくかを、減災の視点から、皆様と一緒に考えたいと思い、当所としての考えを提言の形で発表する。」と挨拶した。

 続いて、1件目の発表として、システム技術研究所の栗原電力システム領域リーダーから「自然災害と電気の安定供給」をテーマに、減災の実践での「減災・予防」対策を実施し、「事前準備」によって備え、災害の発生に対しては「緊急対応・復旧」に努めるという、防災スパイラルの考えの重要性を紹介した。
 2件目の発表は、秋田研究企画GMより「減災に向けた取り組み」をテーマに、最新の科学的知見や精密な自然現象の再現と予測技術、工学的自然対策技術を持ち寄り減災に取り組む旨、報告があり、この発表の中で4件の研究トピックスが紹介された。電力技術研究所の新藤上席研究員から「雷災害」として、 機器の電子化が進む中での雷過電圧による誤動作や風力発電の羽根などへの雷被害へ向けた雷ハザードマップの研究について、地球工学研究所の平口流体科学領域リーダーからは「暴風雨災害」として、台風や豪雨の減災対応に向けたシミュレーション手法の開発、同じく佐藤地震工学領域リーダーからは「地震災害」への対応として、 数値解析と施設構造物の一部実規模実験を連携させた電中研独自の試験法の紹介、同じく松山主任研究員からは「津波災害」として、スマトラ沖地震時の津波伝播や、北海道南西沖地震での津波遡上の有様のモデル化による再現成功の事例などが発表された。
 3件目の発表は、以上を受けて当麻地球工学研究所長より「自然災害にどう立ち向かうか」をテーマに、電力ライフラインの減災には、@データ共有によるハザードマップの整備、A災害リスクマネジメント手法の導入、B一般家庭、地域コミュニティ−、ライフライン事業者、行政による各役割に応じた対策の実施、をシステム的に取り組む必要性などが提言された。

 3件の発表終了後、NHKの松尾正洋解説委員のコーディネートにより、地震防災専門家の早稲田大学の濱田政則教授、電力ライフラインの確保を担う東京電力の大橋裕寿防災GM、中越地震体験者の刈屋洋子消費生活アドバイザーの3氏からコメントをいただいた後、コメンテータおよび当所からの発表者を交えて、会場との活発な質疑応答が行われた。

 なお、当日配布した「発表要旨」につきましてはこちら(pdfファイル4,023kB)でご覧いただけます。


 
 




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