発電システム熱効率解析汎用プログラムの開発

 地球環境保護及びコスト削減の観点から、発電/熱供給プラントの高効率化を図るとともに、既存設備の熱効率を維持・管理していくことは非常に重要です。


 そこで当研究所では、要素機器の性能やシステム全体の熱効率を簡便且つ高精度に解析する汎用ツール「発電システム熱効率解析汎用プログラム」の開発を進めています。


 これまで、主に発電分野において、電気事業や国からの要請に応じ、既設発電所の熱効率解析によるプラント診断や、石炭ガス化複合発電システム(IGCC)、高効率ガスタービンシステムや燃料電池システムなどの次世代高効率発電システムの検討に活用し、多くの実績を残しています。

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 本ツールは、様々なエネルギー供給機器及びシステムの熱物質収支解析をパソコン上で容易に行うことができるWindowsアプリケーションです。


 当研究所において開発した、発電システムの解析に特化したアルゴリズム(特許取得)の採用により、システム全体の熱物質収支バランスを高速に解くことができます。また、解析条件を柔軟に設定できるため、計測値を用いた既存設備内部の状況把握や改造シミュレーション、或いは機器効率を用いた新設備性能の推定など幅広く活用できるものです。

 微粉炭火力発電所のプラント性能は、損失法や入出熱法と呼ばれる方法によって管理されており、ボイラ効率、タービン効率及びプラント効率といった指標が使用されています。


 しかしながらこの方法では、プラント効率の低下要因が数多くの構成機器の中のどの機器にあるのかを特定することは非常に困難です。

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 本ツールでは、実際の運転データより発電プラント全体の熱効率解析を実施し、各構成機器(高、中、低圧タービン、給水加熱器、復水器など)の性能の経時変化を把握することが出来ます。


 さらに、各構成機器の性能低下が発電プラント全体に及ぼす影響度を定量的に算出することによって、発電プラントの性能劣化主要因を特定することができ、設備改善計画の検討に資することができます。


 最近では、発電プラントの運用変更や機器リプレースなどの事前検討にも活用されており、本ツールによるシミュレーション結果を基にした大規模修繕工事が実施された事例もあります。

 高湿分空気利用ガスタービン(AHAT)システムの特性解析


 現在、我が国の電力構成の約8割を火力発電が占めています。しかしながら、エネルギーセキュリティの確保、地球環境保護やコスト低減などの観点から、中間負荷帯を担っている中容量経年火力発電所のリプレースが検討されています。


 当研究所では、経済産業省からの補助事業として、AHATシステムを含む高湿分空気を利用した各種新型ガスタービンシステムについて、同一条件下で熱効率解析・評価を実施しました。また、3MW級の検証機の運転試験を行い、その結果からAHATシステムの成立性及びプラント性能を評価しました。

 受託研究の実施事例

高効率ガスタービン実用化技術開発事業(AHAT) (日立製作所、住友精密工業と共同実施)
水素燃焼タービンの開発−最適システムの評価
CO2回収対応クローズド型高効率がスタービン技術開発−システム研究
二酸化炭素回収システムの性能解析評価 など

 最近要請のあった受託先

経済産業省
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
地球環境産業技術研究機構(RITE) など
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