登録番号1988-00542 (B00)
タイトルマジックナンバー7をめぐって − 人間の情報処理の限界
内容概要1956年のG.A.Millerの論文によれば、「短期記憶には、個々のチャンク(短期記憶の容量単位)の情報量に関係なく約7チャンク(7プラス・マイナス2チャンク)保持できる」という。本稿は、この人間の情報処理能力の限界の一つを示す「7」という数字について、情報のまとめ方、構造化という観点から最近の研究や実験結果もおりまぜて考察するもので、以下のような内容を含んでいる。・人間は記憶すべき情報の規則性、意味、知識などを上手に用いてグループ化(チャンキング)することによって、記憶できる情報量を多くしている。このことが、人間の情報処理システムにおける情報圧縮の大きな特徴である。・G.Mandlerは、「人間は一つの属性(次元)にだけ同時に注意を向けることができ、5プラス・マイナス1項目がチャンクとして意識化できる」としている。・チャンク化した方が検索は速く、しかもチャンク数とチャンクに含まれる項目数が等しいとき検索時間は最小となる。・最近では、7チャンク論に対して4チャンク論も優勢であり、人間の顕著な記憶特性を表すマジックナンバーが7から4に変わる可能性がある。
著者乾 敏郎(ATR AUDIO VISUAL)、淀川 英司(ATR AUDIO VISUAL)
出典数理科学
発行年月日1987/08/00
巻号/0290
ページ(0052-0056)
言語日本語
登録キーワード認知過程、モデル化、人間特性、短期記憶、長期記憶、メンタルモデル、認知、パターン認識、認知心理学、知覚、認知情報処理、情報処理

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