内容概要 | 化学会社においては,化学プラントの新設,変更,改造などを実施する場合,その規模,内容により企画段階から工事完成までの各段階で安全性評価をはじめ種々の検討を実施している。システム的な解析法は新設や改造の際には,リスクの洗い出しには有効であるが,既存設備においては,プロセス危険予知がオペレータ一人一人の安全意識のレベルアップとも相まって有効と考えられる。化学企業が実施している主な安全性評価の手法としては,労働省方式の安全性評価,オペラビリティスタディ(HAZOP),ダウケミカル社の危険度評価,ETA,FTA,災害想定等がある。また,人と設備の両面におけるリスクの制御として,プロセス危険予知(PKY)があるが,これは,すでに職場に普及している危険予知訓練(KYK)の手順を応用した小集団活動によるオペレータ教育システムの一種で,製造部門の一部で自然発生的に生まれてきたもので,ほぼ同時期に他社との情報交流によって開発されてきた。手法としては,ある異常現象を想定し,これに対してどういう原因が考えられるか,または,放っておくとどうなるかを,抽出,本質追及,処理,対策樹立の4ラウンドの手法を用いて絞り込んでいくやり方である。また,時間を短くするため一人PKYなる手法も工夫されている。
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