内容概要 | 平成7年7月から輸血用血液は製造物責任法(PL法)の対象となり、従来以上の品質管理を求められることになった。この法律の精神は被害者救済であり、このような時期を契機に輸血過誤の防止対策を徹底化することは非常に意義の深いことと言えるだろう。輸血過誤は採血、検査、輸血用血液の発注、輸血前検査、病棟での輸血、輸血開始、24時間体制など、様々な段階におけるミスによって発生する。輸血過誤の防止には病院全体で取り組むことが大切である。そのなかでも特に重要なのはコンピュータ利用による過誤防止であり、これは人為的なケアレスミス対策に威力を発揮する。コンピュータ利用は、検査段階におけるABO式血液型の場合のオモテ・ウラ検査結果と結果データリストとの再照合によるダブルチェックや、輸血前検査段階における登録されている患者情報と製剤情報を照合するペーパークロスマッチ、またGVHD発症予防のための放射線照射の必要な患者のチェックなどに威力を発揮する。また、輸血業務に熟達した検査技師による24時間体制の確立も重要である。輸血検査は緊急検査項目としても最も重要なものの一つとされており、従来にも増して、24時間の緊急検査体制をとることが必要とされており、さらに、輸血業務の検査技師による当直体制は必須となっている。
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