登録番号2001-02971 (C00)
タイトル主観的期待効用モデルによるリスクテーキング行動の分析の試み -楽観性特性とリスク認知・行動の関係-
内容概要従来のリスク研究では不確実性についての主観確率と望ましくない結果(負の主観的効用)ばかりが重視されてきたが、本研究においては、うまくいった場合の正の効用、うまくいかなかった場合の負の効用及び、行動しなかった場合の効用を考慮した信号検出理論を適用した主観的期待効用モデルを仮定した。このモデルの利点は、リスク認知やリスクテーキング行動に個人差が観察されたときにどの過程で生じているのか、パーソナリティ特性がその個人差を説明できるとすれば、どの過程に影響を及ぼしているのかを検討できることである。本研究では、このモデルを用いて、空想上のリスクや自分の社会的信頼を失墜するようなリスクを含む事象についての質問項目を加えてリスクの次元を再検討すること及び、Life Orientation Test改訂版(LOT-R)によって測定される楽観性が、リスク認知やリスクテーキング行動のどの過程に影響を与えるのかを検討することである。リスクテーキング行動の回答データについて因子分析を行い、「迷信リスク」「世間体リスク」「生命リスク」の3因子が抽出された。また、リスク認知の幾つかの要素がリスクテーキング行動に影響を及ぼしていること、楽観性はリスク認知の幾つかの局面に影響があることが示唆された。
著者山 祐嗣(KOBE COLLEGE)、吉村 典子(KONAN WOMEN UNIV)
出典日本リスク研究学会誌
発行年月日2000
巻号0012/0001
ページ(0052-0058)
言語日本語
登録キーワード人間特性、心理学、意思決定、モデル化、認知、人間行動、個人差、アンケート調査

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