内容概要 | 本稿では、ノンバーバルインタフェースの発展の動向、ノンバーバルモードを含む複数のモード(音声、視線等)を組み合わせるマルチモーダルインタフェースの特性を述べ、研究開発されたインタフェースの紹介を行っている。ノンバーバルインタフェースでサポートされるモードは少なく、マルチモーダルインタフェースでも組み合わされるモードは高々4個にとどまっている。ノンバーバルモードは意識的な操作に限定して用いられるものではなく、ユーザが知らないうちに機械に何らかの反応を起こさせているというような応用法は広く考えられ、ユーザの困惑した表情に対して機械がヘルプを出すなどのように本来機械に使われないモードが活用できる余地も大きい。現段階のマルチモーダルインタフェースの多くでは操作とモードの関係が予め決まっており、同じ操作を複数のモードから自由に選んで実行できるようにデザインされていない。これでは選択性やアクセシビリティの拡大の実現はまだ遠いと言わざるをえない。ユーザがどのモードでどの操作を行うべきかに気を取られることなく操作が行えるインタフェース(モードフリーインタフェースと呼ぶことにする)も、マルチモーダルインタフェースが目指すべき究極の目標であると考える。
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