内容概要 | 多モードの人間-マシンインタフェース(HMI)を設計するときには、人間の役割分担を検討しなければならない。視覚への負荷を少なくするためには、他の感覚チャネルを利用しなければならない。本稿では、音響ユーザインタフェース(AUI)と呼ばれる独特の概念を具現化したHMIを提案している。AUIによって、情報を視覚チャネルから取り除き、聴覚チャネルを通して伝えることができる。視界の内や外の任意の方向から伝わってくる音の印象を生み出すため、頭部に関係する伝達関数が用いられる。視覚への負荷を低減すると同時に、マルチメディア情報をより効果的に協調させ、伝達するために、聴覚イメージを視覚ディスプレイに表示されるイメージの位置に併せて投影することができる。AUIは情報へのアクセス性を向上させ、バリアを少なくする可能性を秘めている。視覚障害者にとって、従来のグラフィックユーザインタフェースを用いた視覚ディスプレイ端末では情報へのアクセスが難しく、インタフェース設計にAUIを含めることによって、アクセスが改善されるであろう。さらに、音声コミュニケーションの活用によって、マウスなどのポインティングデバイスの重要性が低下し、ハンズフリーの対話を実現できるようになる。
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