登録番号2003-03429 (C00)
タイトル薄明視における安全色の視認性の研究
内容概要本研究は基礎研究を踏まえて、多くの色があふれる日常生活において看板や標識などの表示物に用いられている色について、薄明視の状態で、主として安全色についてどのような組み合わせが視認性において有効であるかを検討し、安全な視環境を構成する一指標を求めることを目指している。実験の結果、薄明視では明らかに視力は落ちるが、明度差が大きい色の組み合わせの場合は0.3(lx)の照度レベルでも認知できる組み合わせもあった。これは、明所視のときは色を知覚する錐体細胞の働きが活発なため有彩色同士でも認知できるが、薄明視になるにつれ明暗のみを知覚する桿体細胞が中心に働き、色味が失われるため、明度差が大きい無彩色との組み合わせのほうが見えるようになるためである。薄明視では、有彩色の組み合わせよりも無彩色との組み合わせのほうが認知しやすい。薄明視作業現場においては、白-青や赤-白のように無彩色と組み合わせたものや、明度差の大きい青-黄や赤紫-黄が有効である。また、上記の条件においても、有色の標識を用いる際には最低でも5(lx)以上の照度環境を確保する必要がある。さらに、照度が低くなるにつれ、色味が失われ、緑、青、赤紫は黒と、黄は白と混同が起きてくるので、色の識別性を重要視する場合には一考を要する。
著者堀江 良典(NIHON UNIV)、大内 啓子(JCRI)、名取 和幸(JCRI)
出典日本プラント・ヒューマンファクター学会誌
発行年月日2002
巻号0007/0002
ページ(0125-0131)
言語日本語
登録キーワード視覚情報処理、視覚特性、照度、人間特性、色別化、識別性

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