内容概要 | 作業員は現場において、個人と社会、安全性と効率性、法律とグループの規範など、様々なジレンマの中で判断をしながら作業を行っている。作業員を取り囲む組織風土は作業員自身の判断・行動を左右する規範に大きな影響を与えることから、今後は組織風土に注目した諸対策を講じていくことが大切である。本稿では、組織風土のほんの一端に触れるという試みで、現場作業員の方々の意見や筆者の現場経験を通して、現場のリーダーや作業員が心得ておくべき事柄を次の5つの注意点にまとめている:1)基本動作の徹底-指差呼称、復命復唱、作業着手前の機器状態の確認、作業前の検電、作業対象機器以外の機器には触れないなど、基本動作の厳守を徹底すること、2)基本ルールの遵守と守られるルール作り-基本ルールを遵守するとともに、ルールは形骸化しやすいので守られるルールを作ること、3)自己責任の自覚-自分のやったことは必ず自己点検し、職務の遂行に責任を持つ、また持たせること、4)各部署間および他の協力会社とのコミュニケーションの徹底-「阿吽の呼吸」は通用しないことを知らしめ、面倒でもルールに従わせること、5)ヒューマンエラーへの対応姿勢-責任追及ではなく、原因究明のスタンスで対応すること。
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