イラストで学ぶ災害防止教訓集(一般産業編)

背景

わが国の労働災害は、発生件数においては年々減少傾向にあるものの、その発生率の減少は鈍化してきている。とくに、死亡災害や一度に三人以上の労働者が死傷、または罹病した重大災害は横ばい状態にある。このような重篤災害減少の停滞原因を「機械」と「人間」とに分類すると、ハードウェアの機械的要因よりは機械や設備を扱う人的要因が大多数を占めている。
このため、最近の労働災害事例を収集し、これを人間側の視点から分析して、新たなヒューマンファクター問題の把握が望まれている。

目的

わが国の労働災害事例をもとに「労働災害」および「労働安全衛生」に関する現状と問題点を抽出し、ヒューマンファクターの視点から労働災害事例を展望する。

主な成果

(1)労働災害情報の分析
わが国の労働災害情報696件を収集・分析し、労働災害の全容として、以下の9項目の内容について取りまとめた。

・わが国の労働災害発生の動向
・職場の労働態様、労働者の意識などの変化と安全衛生のインパクト
・ますます重要となる技術の高度化にかかわる労働災害の防止対策
・あらゆる企業で必要性が増大する高年齢者の労働災害防止
・真剣な取り組みが必要となった労働者の健康保持増進
・これからの企業に不可欠な快適職場環境の形成
・重要性が増大してきた外国人労働者の労働災害防止
・海外諸国の労働災害発生の推移と現況
・今後の「労働災害防止」と「安全衛生」について

(2)イラストで学ぶ 災害防止教訓集(一般産業編)の作成
わが国の一般産業で発生した事故・災害事例を「人間的要因(Man)」「設備的要因(Machine)」「管理的要因(Management)」「作業的要因(Media)」の4Mに分類し、"誤る自分を知り"、"危険に対する感受性を高める"ことの重要性を認識するために、豊富な『イラスト』やヒューマンファクターの『ミニ知識』などより、従来の災害防止向けの啓発書とは切り口を変えた災害防止の教訓集を作成した(図1図2)。




(図1)


(図2)

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