電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

H07006

タイトル(和文)

狭隘部診断用X線イメージングシステムの開発 - プロトタイプの作製および性能評価 -

タイトル(英文)

Development of an X-ray Imaging System for Facility Diagnosis in a Narrow Space -Fabrication of a prototype system and evaluation of its performance-

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

発電設備をはじめとする各施設において,応力腐食割れや配管減肉対策は重要な課題であり,効率的な設備診断技術が必要とされる.診断技術の中で放射線透過検査は配管断熱材を取り外さないで診断できることから,超音波探傷法の相補的な検査法として期待されている.当所は10cm程度以下の狭隘部に持ち込むための小型レーザープラズマX線源の開発を進めており,これに合わせた小型X線撮像技術の開発も必要である.また,小型X線撮像技術はレーザープラズマX線源に限らず,X線管や放射線源を線源とした場合にも有効である.X線検出器の中で,写真フィルムやイメージングプレート(IP)は現像が必要であるのに対し,X線イメージセンサーは現像の必要がないため,リアルタイム計測が可能である.しかし,小型X線イメージセンサー単体では撮影領域が小さく,大きな対象物を撮影するためには,センサーをスキャンさせるなどの工夫が必要である.そこで本報告では,小型X線イメージセンサーとXYステージを組み合わせたX線イメージングシステムのプロトタイプを作製し,その性能を評価した.
現状のセンサーでは,数十mm厚の配管撮影をする場合,照射時間が数分以上となり,熱雑音の問題がある.そこで狭隘部に適用できる冷却機構をセンサーに取り付け,熱雑音を室温の1/5~1/10程度にまで低減させることで,実用的なレベルとした.また,イリジウム線源を用いてX線透過画像を撮影し,識別最小線径を評価した.厚さ50mm, 75mmの鉄板に対して,識別最小線径はそれぞれφ0.63mm, φ1.25mmであり,IP検出器と同程度であることが分かった.配管のX線透過画像撮影では,発電所でも使用されているエルボ配管(呼び径25A,スケジュール80, SUS304)に人工減肉を施したものを模擬配管とし,X線透過連結画像を作成した.IPによる検出結果と比較し,ほぼ同レベルの透過画像を得ることができた.

概要 (英文)

X-ray radiographic testing (RT) is useful for inspecting stress corrosion cracking and pipe wall thinning in power plant components and other facilities because diagnosing of piping from outside of thermal insulator is possible. If RT is applied to a portion in a very narrow space (-10cm), an x-ray source and an image sensor small enough for the objects to inspect are needed. Here, we have made a prototype of the x-ray imaging system, which consists of a small x-ray image sensor and an x-y stage, and have estimated the minimum perceptible diameter of image quality indicators with 192Ir irradiation. The results are 0.63mm diameter for 50mm thick Fe plate and 1.25mm diameter for 75mm thick Fe. These values are close to the results of imaging plate (IP) detector under the similar experiment condition. We have also demonstrated the validity of x-ray imaging of two types of pipe with elbow (25A, Sch80 and 2B, Sch160) using the sensor system and the IP detector. Although the sensor system is slightly inferior to IP in terms of sharpness along boundary and discontinuity at image connection, in the other aspects it is comparable to IP.

報告書年度

2007

発行年月

2008/07

報告者

担当氏名所属

大石 祐嗣

電力技術研究所 高エネルギー領域

名雪 琢弥

電力技術研究所 高エネルギー領域

藤井 隆

電力技術研究所 高エネルギー領域

根本 孝七

電力技術研究所

キーワード

和文英文
X線ラジオグラフィー X-ray Radiography
設備診断 Facility Diagnosis
配管減肉 Pipe Wall Thinning
小型X線イメージセンサー Small Image Sensor of X-ray
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