財団法人 電力中央研究所

電力中央研究所 研究報告書(電力中央研究所報告)
[CRIEPI Research Report]

研究報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の研究報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。 ダウンロードの際には、当サイトの利用規約を遵守の上ご利用ください。

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研究報告書 詳細情報
[Detailed Information]

報告書番号 [Report Number]
H18014
タイトル
油入変圧器のLCC評価に基づくアセットマネジメント支援プログラムの開発
[Title]
Development of managing assets support program for oil immersed transformer based on life cycle cost evaluation
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背景
電力流通設備の高経年化対策の一環として近年、いわゆる「アセットマネジメント技術」が注目されている。高経年化が先行している欧米では早くから CIGRE(国際大電力システム会議)などで検討されており、設備状態や重要度に応じた点数付けで相対評価を行うスコアリング手法に分類される手法が複数提案されている。これらは実務上の有効性は高いものの、点数付け基準の明確化や異なる設備間の比較が難しいことが課題となっている。そのため保守実態を考慮したコスト計算に基づく絶対評価への期待がある。当所ではこれまで異設備間の比較評価を可能とすべく、簡便なモデルに基づくコスト計算をベースとしたアセットマネジメント支援ツールの検討を進めてきた[1]。
目 的
主要変電機器の一つである油入変圧器を対象に、簡易な保守費用特性モデルを用いたライフサイクルコスト(LCC)評価に基づく維持・更新計画支援プログラムを開発する。
主な成果
1. 保守費用特性のモデル化
変圧器の保守費用は多種にわたるが、簡略化のために経年特性別に表 1 に示す項目に整理する。変圧器の平均的 LCC 特性はこれらを積算して求める。また個々の経年変圧器には固有の、修繕を要する不具合(ここでは「懸案 注1)」と呼ぶ)が発生することがある。
「懸案」をその重篤度別に表 2 のように分類する。経年変圧器個別の LCC 特性は、平均的 LCC に加えてこれらの修繕費用を考慮して求める。表 1、2 の費用に経年特性を設定し、変圧器保守費用特性の簡易モデルとした。
2.油入変圧器用支援プログラムの開発
アセットマネジメント支援プログラムの開発において、比較評価の対象とする選択可
能な保守シナリオ候補の設定が不可欠である。ここでは変圧器群全体に対する標準的な保守計画の検討、および「懸案」を抱える個々の変圧器に対する個別の保守計画の検討に分けて考えることとし、評価対象保守シナリオを表 3 に示す分類とした。これらの評価を簡便に行うためにMicrosoft Excel®上で動作する支援プログラムを開発した。2種類の検討に応じた評価例 2 種を図 1、2 に示す。図 1 は標準的な保守計画として、更新時期の差異およびそれぞれの予定運用期間中の大規模改修(オーバーホール;OH)の有無による将来コスト評価を行った例、図 2 は個別の保守計画として、評価対象の経年変圧器が「懸案」を抱えている場合に、修繕して継続使用する場合と新規設備に更新する場合の将来コストを評価した例である 注2)。これらの比較検討を通じて油入変圧器の保守計画策定に寄与できる。
注1)点検等で判明した修繕を要する不具合。放置すると即座に運転に支障を来すものから重篤度は低く、点検等に合わせて修繕すれば十分であるものまで数段階のレベルが想定される。
注2)いずれも 現行機器更新時には低コスト機器が導入されたと仮定、その支出は減価償却を考慮する。
[Abstract]
Recently electric power industry is in face of difficult problems such as strong social request of cost cutting and unexampled aging of facilities. Additionally accountability to proof validity of any investment comes to be very important for "Electricity Systems Reform" in near future. The asset management technique which has been developed in the field of financial engineering is expected to support to solve these problems. There are some approaches to realize rational managing assets. Relative evaluation by condition scoring is useful to a certain extent but among different equipment or different division in a company quantitative evaluation with cost comparison is necessary. The author always try to evaluate by cost. Two kinds of cost one is maintenance cost in ordinary operation and the other is failure handling cost including penalty cost of electric outage are counted in this investigation. This report shows its basic concept and one support program to select better maintenance scenarios for an oil immersed power transformer. The candidates are successive operation of aged equipment by repairing at all such times or by large scale repairing (overhaul) until expected life time and replacement by new low maintenance cost equipment at a certain age or immediately. Cumulative maintenance cost is calculated for each scenario as NPV. In replacement scenarios depreciation is considered for reality. At present maintenance cost characteristic and failure probability by age which should be input to the support program as parameters are under investigation. Its method and difficulties are also described.
報告書年度 [Report's Fiscal Year]
2018
発行年月 [Issued Year / Month]
2019/05
報告者 [Author]

担当

氏名

所属

高橋 紹大

電力技術研究所 固体絶縁・劣化現象領域

キーワード [Keywords]
和文 英文
アセットマネジメント managing assets
油入変圧器 oil immersed transformer
ライフサイクルコスト life cycle cost
保守費用 maintenance cost
設備更新 renewal
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