電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

N08056

タイトル(和文)

堆積軟岩における原位置加熱実験(その3)-比抵抗トモグラフィー法を用いた高温域進展状況のモニタリング-

タイトル(英文)

In-situ heating test in the sedimentary soft rock (Part3) -Monitoring of the extent of high temperature zone by resistivity tomography-

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

堆積軟岩中に放射性廃棄物を処分する場合、廃棄体の発熱による高温状態が地下水や軟岩の挙動に影響を与えることが予測されている。この影響について、実フィールド規模での評価を行うため、堆積軟岩の原位置加熱試験を実施した。軟岩中の温度分布を把握し、周囲への影響についての予測を行うには、物理探査手法を用いて、高温域進展状況を可視化できるモニタリングを行うことが有効と考えられる。岩石の比抵抗は温度上昇に伴い低下する特性を持つことが知られている。そこで、比抵抗トモグラフィー法を用いて、高温域の進展状況をモニタリングすることを試みた。
加熱時における比抵抗トモグラフィーの繰り返し測定の結果、ヒーター孔及びその周辺部において比抵抗が低下する傾向が捉えられた。また、加熱が進むにつれて比抵抗低下域が徐々に広がる傾向が捉えられた。岩石の比抵抗は、間隙水の比抵抗と比例関係にある。また、温度の上昇に伴い、水溶液の比抵抗は低下することが知られている。さらに、加熱実験中は飽和度や間隙率などの比抵抗を変化させる要因となる物性値がほぼ一定であったと考えられる。従って、温度変化に伴う比抵抗変化が捉えられた可能性が高いことが示された。また、岩種による比抵抗の変化傾向の違いから、詳細な地質構造が捉えられた。

概要 (英文)

One of the major issues in disposal of nuclear waste is that the long term behaviors of sedimentary soft rocks can be affected by various environmental factors such as temperature or hydraulic conditions. Therefore, it is necessary to develop a method for evaluating the long term stability of caverns in sedimentary soft rocks as subjected to changes of environment.
We have conducted in-situ heating test to evaluate the influence of high temperature to the surrounding rock mass at a depth of 50m. Resistivity monitoring is thought to be effective to map the extent of high temperature zone. So resistivity tomography was conducted during the heater test.
The results demonstrated that the resistivity of the rock mass around the heater well was decreased and this area was gradually expanded from the heated area during the heating. Resistivity of rock is proportional to that of pore water which is known to decrease with increasing temperature. This suggests that high temperature zone is detected and spatial distribution of temperature can be mapped by resistivity tomography. So resistivity tomography is expected to be one of the promising methods to monitor the heated area by nuclear waste.

報告書年度

2008

発行年月

2009/07

報告者

担当氏名所属

窪田 健二

地球工学研究所 地圏科学領域

鈴木 浩一

地球工学研究所 地圏科学領域

池野谷 尚史

東急建設株式会社

高倉 望

東急建設株式会社

谷 和夫

横浜国立大学

キーワード

和文英文
比抵抗トモグラフィー Resistivity tomography
モニタリング Monitoring
繰り返し探査 Time-lapse measurement
堆積軟岩 Sedimentary soft rock
原位置加熱実験 In-situ heating test
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