電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

※ PDFのファイルサイズが大きい場合には、ダウンロードに時間がかかる場合がございます。 ダウンロードは1回のクリックで開始しますので、ダウンロードが完了するまで、複数回のクリックはなさらないようご注意願います。

電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

N17011

タイトル(和文)

マイクロフォーカスX線CTによる地質試料の内部構造評価のための基礎的研究

タイトル(英文)

Basic study for evaluating of geo-materials internal structure by using Micro-focus X-ray CT

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背 景
地質試料内部の3次元構造を非破壊で評価する方法として,X線CTが用いられることが多くなっている.その中でも特にマイクロフォーカスX線CTは,高解像度のCT画像を撮影することができるため,今後ますますの活用が期待される.CT画像を使って定量的な評価を行うには,偽像やノイズの影響が小さい鮮明なCT画像を撮影することが重要である.しかし,試料の材質や大きさに応じて撮影条件を設定することが必要であり,現状では最適な撮影条件は試行錯誤により決定される.
目 的
CT画像を用いて地質試料内部の3次元構造を定量的に評価するため,試料の材質や大きさに応じた撮影条件を明らかにする.
主な成果
1. 試料に応じた最適な撮影条件
掘削径の異なる円柱型のボーリング試料を想定し,大きさ(φ10~90mm)が異なる砂及び複数の岩石試料(砂岩,流紋岩,花崗岩,斑れい岩)に対し,主に管電圧を変えたCT撮影を行い,CT画像の比較や画像解析を行った.各条件におけるリングアーチファクトの傾向を整理しヒストグラムを比較することによって,試料の大きさや岩種に応じた最適な管電圧など,偽像やノイズの影響が最も小さくなる撮影条件を示した.
2. 岩石の割れ目を評価するための撮影条件
円柱型の花崗岩試料(φ30,60,120mm)を半割にし,割れ目を模擬するためスペーサー(厚み20,50,100μm)を挟んだ試料のCT撮影を実施した.撮影の結果,画素サイズが割れ目幅よりも大きい条件であっても,部分体積効果によって,画像上は割れ目を認識できることが分かった.一方,定量的な評価を行うには,画素サイズを割れ目幅の少なくとも半分より小さい条件で撮影することが必要であることが分かった.但し,サイズが大きい試料の場合は,試料自体の大きさによって画素サイズが制約を受けるとともに,撮影視野が狭くなって全体を評価できなくなることを確認した.
今後の展開
CT画像の解析手法を検討するとともに,断層や地すべりにおける破砕岩試料のCT撮影を行い,形状や方向等の内部構造の特徴を定量的に評価する.

概要 (英文)

To evaluate mechanics or hydraulic parameter of geo-materials, 3D internal structures give a lot of useful information. In re-cent days, Micro-focus X-ray CT is used as powerful tools with non-destructive and high resolution observation method for 3D internal structure of geo-materials. In order to quantitative evaluation for geometry of fracture, porosity or mineral, it is signifi-cant to apply applicable CT scan condition associated with fabrics or size of geo-materials. However, CT scan condition has been determined with semi-empirical method.
We tried scanning various typed of geo-materials (sand, sandstone, rhyolite, granite and gabbro) and size (10, 30, 60 and 90mm diameter) by different scan condition. To compared CT image and results of image analysis, suitable scan condition was showed for multiple materials and diameter size. In addition, we conducted CT scan for various size of artificial fracture granite rock samples (30, 60, and 120mm diameter) with inserting spacer (0.02, 0.05, and 0.10mm) by different pixel size. Fracture was showed for all CT image, however, fracture gray value between high gray values mineral was showed high value in comparison with another fracture point caused by partial volume effect. If the pixel size is half of aperture width, we could obtain appropriate fracture data.

報告書年度

2017

発行年月

2018/05

報告者

担当氏名所属

野原 慎太郎

地球工学研究所 地圏科学領域

濱田 藍

地球工学研究所 バックエンド研究センター

キーワード

和文英文
マイクロフォーカスX線CT Micro-focus X-ray CT
非破壊評価 Non-destructive evaluation
3次元可視化 3D visualization
撮影条件 CT scan condition
割れ目 Fracture
Copyright (C) Central Research Institute of Electric Power Industry