電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Q10015

タイトル(和文)

常圧アンモニア電解合成法の開発-アンモニア溶解機構の検討-

タイトル(英文)

Development of Ammonia Electrosynthesis Under Ambient Pressure - Dissolution Behavior of NH3 in a Molten LiCl-KCl-CsCl System -

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

アンモニアは水素貯蔵・輸送媒体として検討がされているが、現状の大規模合成法であるハーバー・ボッシュ法ではエネルギー消費・CO2排出が大きい。溶融塩電気化学プロセスでは低エネルギー消費で中小規模のオンサイト・オンデマンドのアンモニア合成が期待される。
溶融塩中へのアンモニア溶解挙動について考察し、原料物質である窒化物イオンが存在する場合はアンモニアが化学的に溶解することを改めて示した。この溶解現象は電解時の収率を低下させる要因となるが、電解後に水素または水蒸気を系内に供給することで溶解したアンモニアを回収できることを見出した。水素供給下での連続的な電解が想定される実プロセスでは電解合成、溶解及び回収が同時に進行することが示唆され、回収反応を効率良く進行させることが重要である
水素ガス電極での陽極酸化反応を原料転化率の観点で考察した。分極電位が高くなると、副反応である窒素発生の寄与が大きくなることを確認した。分極後に回収法を行い溶解分を見積もると副反応も含めた原料転化率は7割近くにまで向上した。

概要 (英文)

The dissolution behavior of ammonia was investigated in molten LiCl-KCl-CsCl system. In the presence of N3-, which is a raw material of NH3 electrosynthesis, a portion of NH3 dissolved in a molten salt as imide(NH2-) formed by the reaction between N3- and NH3. Although this phenomena may lower the yield of synthesized NH3, it turned out that the dissolved NH3 can be recovered by supplying H2 or water vapor into the melt. The conversion ratio of N3- to NH3 was also examined during anodic polarization measurements on a hydrogen gas diffusion electrode. The competing reaction of N2 evolution occurred at more than 1.2 V vs. Li+/Li. The total conversion ratio rose near 70 % by recovering processes after anodic polarization measurements.

報告書年度

2010

発行年月

2011/06

報告者

担当氏名所属

芹澤 信幸

材料科学研究所 エネルギー変換・貯蔵材料領域

竹井 勝仁

材料科学研究所 エネルギー変換・貯蔵材料領域

キーワード

和文英文
アンモニア合成 Ammonia synthesis
溶融塩 Molten salt
水素貯蔵 Hydrogen storage
水素エネルギー Hydrogen energy
三相界面 Three-phase boundary
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