電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Q20007

タイトル(和文)

半解析的有限要素法と境界要素法を用いたLamb波の散乱係数算出手法の妥当性評価

タイトル(英文)

Evaluating the validity of the computational method of Lamb wave scattering coefficients using semi-analytical finite element and boundary element methods

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背  景
原子炉格納容器のコンクリート埋設部のようにアクセスが難しい部位の健全性を確認するため,超音波の一種であり低減衰で長距離伝搬するガイド波を用いた非破壊検査を活用する案がある.しかし,欠陥で生じるガイド波のモード変換現象は,通常の超音波探傷で使用する横波や縦波より複雑であり,欠陥の位置や性状を推定することは容易ではない.従来は単一のモードに着目し,欠陥の位置や性状の推定を試みていたが,実機での適用では効果を示せてはいない.そこで,欠陥部におけるモード変換現象に対する知見の拡充が必要であるとして,既報[1]にてガイド波の一種であるLamb波の各伝搬モードの散乱係数を算出するプログラムを開発したが,実験による検証は行われていない.
目  的
Lamb波の各伝搬モードの散乱係数を既報[1]で開発した半解析有限要素法と境界要素法を組み合わせた手法(図1)で計算し,それらの重ね合わせとして算出される散乱振幅と,面内変位も計測可能な三次元レーザードップラー振動計を使用した実験システム(図2)によって計測した散乱振幅とを比較し,その妥当性を確認するとともに,実機での活用法を検討する.
主な成果
1. 開発したプログラムによる散乱振幅の妥当性評価
欠陥を付与した試験体を模擬した解析モデルに対して,既開発のプログラムに入力振幅の情報を実験結果の波形データから抽出する機能を追加し,散乱振幅を算出した.これを実験で得られた散乱振幅と比較し,周波数依存性などの定性的な一致を確認した(図3).
2. 実機適用手法の検討
周波数依存性などの定性的な一致が確認されたことから,予め散乱振幅の計算結果を複数用意しておき,実際の検査で周波数走査を行って得られた散乱振幅の周波数依存性と比較することで,欠陥の性状を推測する適用方法を考案した(図4).
今後の展開
開発したプログラムは二次元波動場であるLamb波に限定されており, 三次元波動場に拡張することで高精度化を行う.

概要 (英文)

Guided wave testing is expected to be utilized for non-destructive testing of elongated structures (e.g. bars, plates and pipes) and inaccessible areas, given the ability of guided waves to propagate with low attenuation. However, some issues linked to the characteristics of guided waves complicate this process, such as their dispersive and multi-modal properties. In guided wave testing, the incident wave mode is converted into several propagating modes due to defects, each of which has its own propagating velocity that varies with frequency. Accordingly, to estimate the position of a defect based on the wave velocity, we have to comprehend the modal conversion phenomenon. In a previous report, we developed a numerical simulation software package to calculate the scattering coefficients for Lamb waves scattered by defects using a global-local method. In this report, we validate the program code based on experiments. In the latter, we arrange five specimens with differing defect shapes. Changing the input frequency, we measure scattering coefficients to compare the experimental results to numerical results obtained by the developed code. Consequently, we demonstrate that the code can calculate the scattering coefficients depending on the input frequency and defect configuration.

報告書年度

2020

発行年月

2021/04

報告者

担当氏名所属

神田 昂亮

材料科学研究所 構造材料領域

丸山泰蔵

愛媛大学

キーワード

和文英文
ガイド波 Guided waves
Lamb波 Lamb waves
半解析的有限要素法 Semi-analytical finite element method
境界要素法 Boundary element method
散乱係数 Scattering coefficients
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