電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

T03041

タイトル(和文)

交流成分が重畳した電流に対するリチウム二次電池の熱応答特性

タイトル(英文)

Thermal Response of Lithium Secondary Battery to Ripple Current

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

二次電池に接続する充電器など電気機器が出力する電流はリプルやノイズなどの交流成分を含む脈流で、鉛電池では寿命劣化の一因になりうるが、リチウムイオン二次電池に及ぼす影響は明らかでない。そこで、市販リチウムイオン二次電池について、直流電流に所定の周波数、振幅の正弦波交流成分を重畳できる充放電装置を用いて、脈流電流に対する発熱挙動を評価を試みた。その結果、交流電流(100および200mAピーク)印加時の発熱は、電流周波数に依存し、低周波ほど大きい傾向を得られた。また、交流電流印加時の発熱は、別途得た交流インピーダンス特性からの計算値とほぼ一致した。これから、より大きな交流電流に伴う発熱を推定したところ、充電器で発生する電流リプル、スイッチングノイズなどの交流成分が実効値1時間率電流相当では、温度上昇は数℃で、熱逸走など安全上の不具合が生じる可能性は小さいことを示唆する結果となった。

概要 (英文)

In generally, output current from battery chargers includes AC, such as ripples and noises. It was reported that ripple current causes degradation of lead-acid battery, but it is unknown about lithium secondary battery. Thus, we test commercial lithium secondary battery by charge-discharge test system that can add sine-wave AC current to DC current, and available to control frequency and amplitude of AC current. The results show as follow, (1) Heat generation from the battery when AC current added depends on the frequency of AC current, and it increased at low frequency. (2) Heat generation data is good agreement with the calculated value from AC impedance spectra. (3) Temperature increase is estimated only several degree even when AC current of ca. 1 CA added to the battery, so it seems to be safe without thermal runaway.

報告書年度

2003

発行年月

2004/04

報告者

担当氏名所属

三田 裕一

狛江研究所材料科学部

小林 陽

狛江研究所材料科学部

宮代 一

狛江研究所材料科学部

寺田 信之

狛江研究所材料科学部

関 志朗

狛江研究所材料科学部

池谷 知彦

狛江研究所材料科学部

キーワード

和文英文
電池電力貯蔵 Battery Energy Storage
熱特性 Thermal Characteristics
リプル Ripple
リチウム二次電池 Lithium Secondary Battery
充電電流 Charge Current
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