経済社会研究所

社会経済研究(定期刊行物)> バックナンバー No.43〜No.48 > No.46 論文要旨

No.46 論文要旨

生態系保全のためのビオトープ計画策定手法 (1.3 MB)

The Planning Method of Biotop for the Ecosystem Preservation

[キーワード]
発電所、ビオトープ、事例調査、計画策定手法

山本 公夫 / 井内 正直

本論文は、全国の公共施設や工場などで実施されたビオトープ事例を調査し、その目的や整備タイプによってビオトープを分類する。
また、分類結果にもとづいてそれぞれのビオトープに適した整備手法を明らかにするとともに、実態調査結果をもとにビオトープ事例データベースを構築する。 さらに、全国の火力・原子力発電所における生態系保全の現状をアンケート調査と実態調査により明らかにしたうえで、発電所のビオトープ計画策定手法を提案する。

日本の半導体貿易の構造変化と輸出競争力 (1.4 MB)

Structural Changes of Japanese semi-conductor trade and Export Competitiveness

[キーワード]
産業内貿易、輸出競争力、半導体、集積回路、Armington型関数

星野 優子

半導体産業の特徴のひとつは、国際間分業による産業内貿易が広く見られる点である。半導体貿易における輸出競争力には、産業内貿易を前提とした国際間の技術格差にもとづく製品差別化の深化が大きく関わっていると考えられる。 そこで本稿では、製品差別化の程度を代替の弾力性によって推計することで、日本の半導体貿易における産業内貿易の構造および日本の輸出競争力について考察する。
分析対象は、世界的なIT革命が本格化した1990年代後半以降の、対米国、EU、アジアNIES、ASEAN、中国での半導体素子および集積回路(HS9桁分類で半導体等電子部品38品目)の輸出入である。

戦前期日本の経済発展と社会資本の役割 (1.1 MB)

Prewar Japanese Economic Development and Social Capital

[キーワード]
社会資本、コブ=ダグラス型生産関数、民間資本需要関数、社会資本需要関数、経済発展局面

森脇 祥太

社会資本が経済発展に対して与えた直接、あるいは間接の効果を戦前期の日本の全部門、非一次産業部門を対象として実証的に検証する。
また、戦前期の社会資本が民間資本と比較して適正な水準にあったか否かについても検討する。コブ=ダグラス型生産関数の推定結果によると、直接的生産力効果は戦後と同様、正の値をとり、労働生産性の成長率の約50%を説明する結果が示された。
また、直接的生産力効果と同時に間接効果も存在することが連立方程式モデルによって確認された。民間資本と社会資本の限界生産力の比較によると、第1局面の初期に社会資本は不足状態にあるが、その状態は急速に解消し、その後は戦前期を通じて最適水準を持続するという結果が示された。

結合生産財市場の自律的調整と加速的調整の可能性 (465 KB)

Autonomous vs accelerated market adjustments in the presence of joint production

[キーワード]
結合生産、競争均衡、繰り返しオークション、ニュートン法

西村 一彦

複数の財を結合生産する主体においては、ある財の限界費用は、他の財の市場価格に依存する。結合生産主体が複数存在する場合、各財の競争均衡価格は、各々の財市場において、実際の財の取り引きに先立ちオークションを繰り返すことによって決定することが可能である。
しかし、各主体における複数の財の生産性に関する相互依存性が強い場合、市場価格が均衡に収束するまでに膨大なオークションの繰り返しが必要となり、実際の取り引きを限られた時間内に競争均衡価格で行うことが困難となる。
本論では、このような場合に対して、各々の財に関するオークションの動向から競争均衡価格の推定を行い、結果を各生産主体にフィードバックさせることで、競争均衡価格を効率的に実現する手法を述べる。

« 一覧へ戻る
PDFファイルを読むためにはAdobe(R) Acrobat(R) Reader(R)の
インストールが必要です。