アジア地域における原子力損害賠償国際枠組み構築とわが国の法制度上の課題(1.8 MB)
An Establishment of International Framework on Civil Liability for Nuclear Damages in Asia and Issues for Japanese Nuclear Liability Laws
[キーワード]
ウィーン条約改正議定書、補完基金条約、原子力損害賠償に関する法律
田邉 朋行
近年のアジア地域における原子力開発利用は著しい進展を見せているが、同地域には原子力損害賠償国際枠組みが確立されていないため、原子力損害が我が国に及んだ場合の我が国民の保護・救済の確保や我が国原子力産業のアジア地域への展開等が阻害されることが懸念されている。
そこで、本研究では、アジア地域における原子力損害賠償国際枠組みの構築の必要性を示し、そのために我が国はウィーン条約改正議定書及び補完基金条約の両方あるいはいずれか一方に率先して加盟し、これらの条約の下で国際的な賠償枠組みを適宜構築していくことが望ましいことを論じた。そして、我が国がこれらの条約に加盟する際に国内で克服しなければならない法的課題として、(1)原子力損害の定義、(2)免責事由における「異常に巨大な天災地変」の取り扱い、(3)少額賠償措置の取り扱いについて取り上げ、その法的解決試案を示した。そして、これらの考察を踏まえた上で、我が国の条約対応のあり方としては、国内法の整備が比較的容易な補完基金条約のみを先行して批准する、という方法が現実的な選択肢として検討されて良いことを示した。
地域づくりの動向と自治体ニーズ (968 KB)
The trend of a community development, and needs of a local government
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地域づくり、事業化、自治体、ニーズ
山本 公夫
本稿では、地方分権推進や市町村合併等の地域を取り巻く社会情勢の変化のなかで、新たな地域づくりの展開方策の提言に資することを目的としている。
そのため、まず文献調査により最近の地域づくりの特徴を整理したうえで、循環型社会構築を目指したエコタウン事業を対象にヒアリング調査を実施し、事業化に際して住民とのコンセンサスやマーケティング戦略、事業化体制の整備等が重要であることを明らかにした。また、今後の地域づくりのポイントとして(1)ステークホルダーとの連携、(2)広域連携・交流ネットワークの整備、(3)地域づくりの事業化プロセスと要件の3点を提案した。
さらに、全国の自治体の企画担当者を対象にアンケート調査を実施し、地域の課題やニーズの高い行政施策は「高齢化対策」と「地域活性化」であること、大都市では「市民参加」や「省エネ・リサイクル」、「廃棄物処理」を重視していること、個別の地域づくり事例として「自然環境保全」と「地域活性化」、「市民参加」の重視度や具体的な取り組み状況等について明らかにした。
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