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平成15年 8月21日 財団法人 電力中央研究所 |
財団法人電力中央研究所(理事長 佐藤太英/東京都千代田区大手町1-6-1)は米国のロスアラモス国立研究所と共同で、ある種の銅酸化物において比較的高い温度(最高:-138℃)から抵抗がゼロになる「高温超伝導」と呼ばれている現象が、電子の量子力学的な「ゆらぎ」※によって起こることを発見しました。 ※何らかの値が平均値を中心に時間的・空間的にある一定の値に留まっておらず、 絶えず変動して いる状態。ゆらいでいるため、走っている自転車 が倒れないごとく、一定の値である場合には安定ではない状態がかえって安定 になることがある。高温超伝導も一つの安定状態であり、ゆらぎが高温 超伝導状態を安定に発現させている可能性もある。 これは、世界でも電中研だけが有する技術により作製した「単層ビスマス系銅酸化物」と呼ばれる高温超伝導体の高品質単結晶を対象に、瞬間的に発生させた55万ガウス(55テスラ/地磁気の約百万倍)の超強磁場で高温超伝導体の超伝導状態(抵抗がゼロの状態)を故意に壊した時の性質についてロスアラモス国立研究所と共同で研究する中でなされた発見です。高温超伝導体中の電子の数を変えると、超伝導の舞台である電子の集団がちょうど最適電子濃度を境として異なった状態となり、その二つの異なった電子の集団状態のあいだの競合の結果として生じる「ゆらぎ」によって超伝導が起こっていることが分かりました。今回の成果は、高温超伝導が起こる仕組みの解明に向けて大きく踏み出したものと言えます。 なお、この成果は、8月21日発行の英科学誌「ネーチャー」に掲載されます。 詳細は別紙をご参照下さい。 | |||||||
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