財団法人 電力中央研究所

プレスリリース

アオコから『緑の原油』の抽出に成功

− 常温かつ乾燥・粉砕不要で高収率抽出が可能に −

平成22年3月17日
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
財団法人電力中央研究所
 NEDOの産業技術研究助成事業の一環として、電力中央研究所・エネルギー技術研究所の神田英輝主任研究員は、液化ジメチルエーテル(DME)(注1)を用いて、藻類(アオコ)(注2)をから『緑の原油』 (注3)をを常温・高収率で抽出する方法を開発することに成功しました。
 この方法は、液化DMEが水にも油にも混ざる性質を利用したもので、アオコから常温で脱水と油分抽出を同時に行えるため、従来の方法に比べて、脱水・乾燥に必要なエネルギーを大幅に低減できるだけでなく、抽出のための有機溶剤が不要となるため、低コストで環境に優しい油分抽出システムを実現できる可能性があります。
 この成果は、2010年3月26日〜29日に開催される社団法人日本化学会第90春季年会(近畿大学 本部キャンパス)で発表されます。


 (注1)液化ジメチルエーテル(DME:化学式CH3OCH3)は、最もシンプルな形のエーテル。他のエーテル類と異なり、過酸化物を作らず、無毒で、温室効果やオゾン層破壊の問題がなく、環境調和性に優れる溶剤。中華人民共和国では、石炭から合成される気体・液体両用の安価な人造燃料として利用が進んでいる。日本国内でも、スプレー缶の噴射剤に用いられ、安全性が確認されている。DMEの標準沸点は−25℃であり、今回の検討では20℃・0.5MPaで液化したDMEを用いた。

 (注2)藻類は、CO2の固定能力が高く、食物と競合しないバイオ燃料源になりうるという利点がある。一方、藻の一種であるアオコは富栄養化が進んだ湖沼等において生じ、漁業の障害、取水源としての不適合、生態系の破壊といった問題をもたらすことがあるため、これらの有効活用が期待されている。

 (注3)『緑の原油』とは、微細藻類の細胞の中の油分を総称したものであり、石油代替燃料として使用する試みが広がっている。

詳細については、添付資料 および 参考資料 をご参照ください。
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※ 本件は、NEDO・日比谷オフィスにてレク付資料配布、経済産業省記者会、経済産業省ペンクラブ、文部科学記者会、科学記者会、エネルギー記者会、重工業記者会で資料配布致しております。

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