財団法人 電力中央研究所

プレスリリース

電力中央研究所 2012年度事業報告・決算
ならびに 役員の選任と担当業務の決定について

2013年6月14日
一般財団法人 電力中央研究所
 一般財団法人電力中央研究所(理事長:各務正博、本部:東京都千代田区)は、今般2012年度事業報告書・決算書を取り纏め、本日6月14日、評議員会において承認されました。
 また、同評議員会では役員の選任も行われ、引き続き開催された理事会において、理事長・専務理事などの選定と役員の担当業務を決定致しました。

1. 2012年度事業報告・決算について

 2012年4月に、当所は一般財団法人へ移行し、「電気事業の共同研究機関」かつ「独立した学術研究機関」として、事業環境の変化に対応しつつ、研究基盤の充実に努め、自律的な事業活動を展開しました。特に重点的に取り組んだ事項は次の3点です。

◆ 堅固で柔軟な新たなエネルギー需給構造の構築を目指した研究の推進

◆ 研究計画のブラシュアップ(再精査)を通じた研究戦略の再構築

◆ 強靭な研究体質に向けた事業活動全般にわたる合理化の徹底


<重点実施項目毎の概要>

◆ 堅固で柔軟な新たなエネルギー需給構造の構築を目指した研究の推進
(詳細は 本冊P.5〜13「T.研究活動」の項 を参照)

我が国の社会・経済活動の基盤を支える電力の安定供給に向けて、堅固で柔軟な新たなエネルギー需給構造の構築を目指し、「リスクの最適マネジメントの確立」、「設備運用・保全技術の高度化」、「次世代電力需給基盤の構築」の3つの柱の下で研究を推進し、着実に成果を創出
特に、社会や電気事業を取り巻く情勢の変化を踏まえ、喫緊の課題となっている軽水炉の安全性高度化や電力設備の自然災害対策について、当所の総合力を発揮し最優先で実施

なお、以下には、2012年度における代表的な成果を示します。
「リスクの最適マネジメントの確立」
・原子力発電所における敷地内断層の活動性評価
・原子力施設に対する津波波力の評価手法の開発
・原子力発電所の使用済燃料プールのシビアアクシデント評価
・送電設備の雪害予測技術の開発と対策技術の検証・評価
・電力システム改革に伴う電気事業制度設計の課題解明
「設備運用・保全技術の高度化」
・最新の監視試験データに基づく軽水炉圧力容器の照射脆化予測手法の高精度化
・石炭火力発電所の高クロム鋼配管に対する高精度寿命評価法の開発
・微量PCB汚染大型変圧器のオンサイト洗浄技術の実証
・経年送電鉄塔の健全性評価技術の開発
「次世代電力需給基盤の構築」
・低HGI炭(難粉砕性炭)の利用に向けた燃焼性評価
・再生可能エネルギー導入による電圧変動の抑制に向けた配電系統制御技術の高度化

◆ 研究計画のブラシュアップ(再精査)*1を通じた研究戦略の再構築
(詳細は 本冊P.13〜16「T.研究活動−3.研究推進」の項 を参照)

震災後の電気事業の経営環境変化を踏まえて、電気事業のニーズの視点から全ての研究計画についてその必要性や優先順位を再精査(ブラシュアップ)し、研究戦略を再構築
電気事業の各層・各分野との緊密なコミュニケーションを通じてニーズや要望を集約し、取組みを加速または減速する研究課題を明確化
これらの結果を、タイムリーな研究成果の創出に向けて、可能なものは期中において事業推進に活かすとともに、2013年度以降の研究計画に的確に反映
*1 研究計画のブラシュアップ(再精査)」
 当所では、電気事業全体を俯瞰し、電力サプライチェーンに応じた取組むべき課題の全体像を明らかにした上で、その中での当所の役割や今後の研究活動の具体的な進め方等について、改めて検討を進めてまいりました。

「取組みを強化する研究課題」
(リスク対応や電力供給の高効率化に資する課題)
・軽水炉安全性高度化、流通設備の自然災害対策、電力システム改革の分析評価
・火力発電技術の高度化、再生可能エネルギー導入時の系統セキュリティ評価 等
「引き続き着実に取組む研究課題」
(電力安定供給に資する課題)
・軽水炉の安定運用支援、発電設備・電力流通設備の運用保全技術の開発 等
「取組みを見直す(減速または先送りする)研究課題」*
(電気利用の利便性向上や将来的な問題解決に資する課題)
・電化推進、次世代機器開発・材料開発 等
* 課題に応じて、研究上の位置付けや手法を工夫して基盤研究力の維持を図ることとします。

◆ 強靭な研究体質に向けた事業活動全般にわたる合理化の徹底
(詳細は 本冊P.13〜25「T.研究活動−3.研究推進」、「U.業務運営」、「V.要員」の項 を参照)

当所の予算制約が今後相当期間継続することが見込まれることに対応し、事業活動全般にわたる経費のさらなる削減や、人件費の削減幅の拡大などによりコスト抑制を徹底
こうした状況下でも、質の高い研究成果の創出と提供という当所の使命を継続的に果たしていくため、研究推進上の工夫等によって研究体質を強靭化

合理化の徹底に向けた主な取り組みを以下に示します。
「業務全般にわたる経費の約10%削減」
・業務の見直しや施設環境整備計画の先送り、委託・購買における競争入札の徹底等
「研究体質の強靭化」
・研究実施項目の優先順位と費用対効果の確認徹底
「人件費の削減」
・役員報酬20%減額、幹部職年俸の一律減額及び業績に応じた減俸、一般職員の賞与削減
・2015年度末を目途に要員数を800名程度で均衡させるための施策の検討
「将来にわたる基盤研究力の強化と運営経費の軽減につながる研究拠点整備」
・収支状況を踏まえた予算縮減や実施時期の先送りによる見直しを加えつつ、電気事業の課題解決に必須の大型研究設備導入などを着実に推進
・研究拠点整備と今後の新たな研究展開に要する資金捻出のため、狛江地区用地の一部売却に向けて準備

 上記の諸活動を通じて、一般財団法人移行に伴う公益目的支出計画を着実に実施しました。

<決算概要>
(詳細は 本冊P.31〜42「決算書」 を参照)

 2012年度末の正味財産は前年度末に対し7.1億円減の368.4億円となりました。

1. 貸借対照表
(1)資産の状況
・資産の総額は、505.3億円
<内訳:流動資産44.4億円、特定資産127.7億円、その他固定資産333.1億円>
(特定資産は、指定正味財産を財源とする固定資産9.0億円、退職一時金給付引当特定資産34.3億円、研究設備取得引当特定資産77.0億円など)
(その他固定資産は、土地86.9億円、建物93.5億円、建物附属設備24.9億円、機械及び装置64.2億円など)
(2)負債の状況
・負債の総額は136.8億円
<内訳:流動負債39.0億円、固定負債97.8億円>
(固定負債は、退職給付引当金93.8億円など)
(3)正味財産の状況
・正味財産の期末残高は368.4億円
<内訳:一般正味財産359.4億円および指定正味財産9.0億円>
2. 正味財産増減計算書
(1)一般正味財産の増減
・経常収益は、288.3億円
<このうち受取経常給付金は、東日本大震災により被災した電力会社からの給付金が減額となり262.7億円、また、国等からの受託研究事業収益は16.0億円>
・経常費用は、288.6億円
<内訳:研究業務等に関わる事業費268.8億円、本部業務等に関わる管理費19.8億円>
(事業費の内訳は人件費105.5億円、経費163.3億円。また、管理費の内訳は、人件費11.6億円、経費8.2億円)
・この結果、当期経常増減額は△0.3億円
・当期経常外増減額は△3.9億円
<主に大型計算機の更新に伴う除却損を計上したことなどによる>
以上により、当期一般正味財産増減額は△4.2億円
(2)指定正味財産の増減
当期増減額は、△2.8億円
<指定正味財産を財源とする特定資産の減価償却などによる>
3. その他
 当法人は2012年度より財団法人(特例民法法人)から一般財団法人へ移行しています。これに伴い、当事業年度から「公益法人会計基準」(平成20年4月11日 平成21年10月16日改正 内閣府公益認定等委員会)を採用しております。

2. 専務理事などの選定と役員の担当業務について

 専務理事には藤波 秀雄(前理事)、常務理事には加藤 有一(前理事)が新たに選定されました。

 なお、新田 明人 専務理事は退任し、これに伴い理事は現行より1名減となりました。
(各務 正博 理事長、横山 速一 常務理事、猪鼻 正純 常務理事は、再任されております。)

 役員の担当業務、および新任の専務理事・常務理事の経歴につきましては、 添付資料2〜4 をご参照ください。



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