エネルギー未来技術フォーラム 「電力自由化時代の電気事業」

まとめと閉会挨拶

(財)電力中央研究所
専務理事 深田 智久


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専務理事の深田でございます。本日はお忙しい中、530名強の多数の方に長時間お付き合いいただきまして、まことにありがとうございました。

発表の中でも申しましたように、来年4月から電力の全面自由化のわが国での議論が開始される予定です。言うまでもなく、そこでの議論が十分なされるとは思いますが、当電力中央研究所としても、この問題を政策当局の方から需要家の皆様方まで広く深く、そして正しく理解していただくことが肝要と考えました。

そこで今回のエネルギー未来フォーラムは、「電力自由化時代の電気事業―自由市場・地球環境・安定供給の調和を求めて―」をテーマに、これまでの国の内外で進められた電力自由化の動きを振り返り、そこからわが国が学ぶべき教訓は何か、また今後、どう展開したらよいかということを焦点に、当研究所の研究成果を紹介させていただきました。

ここで少しフォーラムと離れるかもしれませんが、当研究所は現場をよく見聞きし、そして現実をよくつかみ、そして現物としてより役に立つようにという、いわゆる三つの「現」、三現主義を掲げ、活動するように努めています。今回の特別講演をいただいた福本様には、「海外生活を通して見た電力自由化」という現場、現実体験から、非常に示唆に富むお話を伺わせていただき、このフォーラムの発表がより現物として、またより身近なものとしてご理解いただくことに大いに役立たせていただいたものと改めて感謝している次第でございます。

さて閉会に当たり、もう少し時間をいただいて、本日の発表でぜひお伝えしたかったことを再度まとめてご報告させていただきたいと思います。まず、自由化全体を基調発表というかたちで俯瞰するため、電力自由化、その流れとそれがもたらしたものを経験から学ぶことにし、それをもとにわが国としての将来の展望、供給保障を改めて問わなければならないこと、また短期的な利益にのみ走るのではなく、計画的、かつ長期的な視点から社会全体の便益を高めることに貢献することを求めていかなければならないということを述べさせていただきました。

そして特に需要家、そのニーズを的確につかまえた事業運営が不可欠との観点から、発表1として需要家ニーズを分析し、それに基づく自由化がどう評価されているのかを紹介させていただきました。その紹介の中で、電力のコスト努力だけではなく、品質、技術の競争、サービスに対する意識というものが、需要家ニーズとしてさらに重要なことだということが浮き彫りにされ、また電気事業と需要家とのコミュニケーションによって需要家の持つ満足度やロイヤルティが高まることをご紹介し、需要家をむしろパートナーとしてとらえるべきとの電気事業の今後の視点と申しますか、姿と申しますか、そういうことを言及させていただきました。

一方、自由化といえども、電力安定にぜひ供給してほしいとの潜在的な強い要望に対し、この安定供給を支える電力輸送の資金と申しますか、電力系統なるもの、またそれが果たす重要性をご理解いただくことが、まず肝要と考え、発表2において前半で、電力系統での守らなければならないルールの存在とか、その仕組みの特性をアニメーション等を工夫し、できるだけわかりやすく説明していただいた次第です。後半では、そのご理解の下で、今後の自由化の進展の中では、着実は設備投資と系統技術のより高度化が必要で、その研究推進が重要であることを指摘させていただきました。

さらに発表3では、供給における発電および燃料まで話を進めて、大きな潮流である電力自由化時代への自由市場、それから今日の近々の課題になりつつある地球環境、潜在的に強い要求があります電力の安定供給、この三つの調和のためには、技術開発の役割が非常に大きいこと、特に原子力技術が不可欠で、石炭や再生可能エネルギーなど、ベストミックスが追求されなければならないということを述べさせていただきました。

自由化時代の電気事業では、自由市場、地球環境、安定供給の調和を求めていくことが肝要だということをいままで述べさせていただいたわけですが、私ども電力中央研究所としては、この自由化時代になって、この課題を電気事業にとどまらず、広く社会へも目を向けるとともに、調和という事柄をより挑戦的にとらえて地球環境問題への対応とエネルギーセキュリティの確保を両立させることを理事長の白土の開会の挨拶にもありましたように、ミッションに掲げました。その実現のため原子力技術をはじめとする環境技術等と、ここに示しますように、研究の柱を設定して、先ほど述べました現場、現実、現物の三現主義にのっとり、電中研の伝統ある研究力を活かし、開かれた研究所として内外の研究機関とも協議をし、わかりやすく成果を発信し、電気事業への寄与と社会への貢献を果たすべく努力していく所存でございます。

本日は限られた時間でしたが、ご参集いただきました大勢の皆様方のお陰をもちまして本フォーラムを無事に終了することができました。ここに改めて感謝いたします。私ども電力中央研究所は電気事業をはじめ、社会から頼られる研究所として理事長の白土の下、一丸となって研究、技術開発にまい進していく所存でございます。皆様におかれましては、今後とも電力中央研究所の活動を注視していただき、ますますのご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げまして、皆様方への御礼と閉会の挨拶とさせていただきます。本日は長時間、どうもありがとうございました。

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(財)電力中央研究所広報グループ