電力中央研究所では、各種の社会インフラにおける雷リスクの考え方を明らかにするとともに、広範な視点から雷リスクマネージメント手法の検討の方向性について、多方面の分野の方に報告していただくため、「2010 雷リスクシンポジウム」を平成22年6月9日(水)に品川のコクヨホールで開催いたしました。
当日は、電力各社、企業、大学関係者などから約220名の参加をいただきました。ご参加いただき、誠にありがとうございました。厚くお礼申し上げます。
シンポジウムの概要ですが、まず当所の新藤研究参事が雷リスクの基本的考え方について報告した後、気象学的観点から雷予測技術の現状について気象庁から紹介がなされました。引き続き、電中研、湘南工科大学、NTT環境エネルギー研究所、鉄道総合技術研究所、日建設計より、電力設備、有線通信設備、再生可能エネルギー発電設備、鉄道信号システム、超高層建築物における雷リスクとその対策について発表が行われました。最後の総合討論では、以上の報告をもとに、スマートグリッドにおける雷リスクの考え方や雷リスクとIEC規格との関係、今後の雷害対策技術への期待などについて活発な討議がなされました。
参加者からのアンケートのご意見では、このようなシンポジウムは、異種業界間の情報交換や、雷現象や雷害対策の技術・研究に関する知識収集・意見交換などに役立つとの意見が多く、なんらかの形での継続開催を望む声が多数を占めておりました。
一方、今後取り上げてほしいテーマについては、気象的観点も含めた雷現象、スマートグリッドや通信・制御などの低電圧回路における雷リスク、電力設備や再生エネルギー発電設備における雷リスク、雷保護に関する規格や海外動向など、多岐にわたっておりました。
今後は、これらのご意見を踏まえて開催方法などを検討していきたいと考えておりますので、引き続きご支援、ご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。