電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

C19005

タイトル(和文)

電中研風力発電出力予測システムの構築-東北エリアにおける予測事例とその検証-

タイトル(英文)

CRIEPI Wind Power Prediction System for Practical Use - Experimental Wind Power Prediction in the Tohoku Area and Its Verification -

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背  景
風力発電などの再生可能エネルギー(再エネ)が大量に導入されつつある中、電力需給バランスの調整には、再エネ出力予測を活用することが不可欠になっている。当所では、今後導入の増加が見込まれる風力発電に対し、気象予測解析システムNuWFAS[1]を用いた出力予測等の検討を実施してきたが、従来型の決定論的予測に加え、予測の不確実性を考慮した確率論的予測や出力急変事象(ランプ現象注1))予測などの付加情報も求められている。また、風況特性や観測データ取得状況は地域ごとに異なるため、それに応じたチューニングやカスタマイズといった工夫も必要である。
目  的
実際の電力系統エリアを対象として、決定論的及び確率論的な風力発電出力予測システムを構築し、予測精度の検証や、結果の表示環境を整備する。
主な成果
1. 風力発電出力予測システムの構築および検証
電力需給運用の多様な目的に応じた予測情報提供のため、特徴が異なる3種の風力発電出力予測が行えるシステムを構築した(表1)。また、東北エリアの風力発電出力データを用いて予測精度向上に向けた調整を行い、模擬予測による検証を行った。
(1) 3日先決定論的予測(基本予測)
サブエリア出力合計の過去データを用いた補正により、サブエリア出力合計や、それを積み上げたエリア出力合計の予測精度が大幅に改善することを確認した。
(2) 3日先確率論的予測(力学的アンサンブル予測)
100メンバーの予測から得られる信頼区間注2)は適切に表現していることと、ランプアラート注3)は統計的に有意な予測であることを確認した。
(3) 11日先確率論的予測(アナログアンサンブル予測)
1週間先までの時系列および確率論的予測は概ね高い精度・信頼度で予測可能であった。
2. リアルタイム実行環境の整備
風力発電出力予測を自動で実行し、時系列予測に信頼区間やランプアラートなど付加した予測情報を表示できる環境を整備した(図1)。
今後の展開
それぞれの予測手法の見直しと統合化による予測精度の向上、確率論的予測等の得られた知見のPV出力予測などへの応用、東北エリア以外への適用も行う。

概要 (英文)

Renewable energy such as wind energy rapidly becomes widespread in the world. Since the renewable energy have character of volatility due in part to natural variability of weather condition, prediction of the power generations is one of the most cost-effective and easily implemented tools. Recent development of numerical weather prediction provides us with more accurate prediction of the wind power generation. However, there are still many difficulties in producing predictions such as wind ramp events that specify their intensity, location and timing. Probabilistic prediction can be effective in predicting the behavior of such events. In this study, we have developed three different prediction methods for wind power, i.e., a deterministic and probabilistic prediction using numerical weather prediction model, and a long-term (10 days) probabilistic prediction by using analog-ensemble method. The developed methods exhibit high statistical consistency and reliability of ability to capture the ramp events.

報告書年度

2019

発行年月

2020/04

報告者

担当氏名所属

大庭 雅道

環境科学研究所 大気・海洋環境領域

門倉 真二

環境科学研究所

野原 大輔

環境科学研究所 大気・海洋環境領域

平口 博丸

地球工学研究所

橋本 篤

地球工学研究所 流体科学領域

キーワード

和文英文
風力発電 Wind power
風力ランプ Wind ramp event
アンサンブル予測 Ensemble forecast
確率予測 Probabilistic forecasts
風力気候特性 Wind power climate
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